【ＭＨＡ】最強の女だけど救けてほしい【ヒロアカ】 (ページ8)

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第五話　私の名は。ページ8

「嫌です」

「座れ」

「嫌です」

「座れ」

「お前らいちゃいちゃすんなよ！もう体育祭始まってるぜ？！」

　プレゼント・マイクに引っ張られて、私は仕方なく二人の間に腰を下ろす。

「しかし、私に実況は不可能です。お任せします」

　答え、何者でもない私は競技を始める同級生を見下ろした。
　プレゼント・マイクに引っ張れた相澤消太に引っ張れた私は、短くため息をついて障害物競走をスタートさせた彼らの勇姿を目に焼きつける。

(……面倒くさそうです。しかし、何故こうも楽しそうに見えるのでしょう)

　不思議だ。そう思った瞬間巨大なロボが姿を現し――私は思わず、驚いて二体を爆破させてしまった。

「おぉっとー？！この個性は……」

「お前だな」

「申し訳ありませんでした」

「……そっちかああああー！これは！体育祭未参加の１―Ａ組！寿限無如来・ゴンザレス・阿修羅の仕業だー！隣にいる寿限無如来さん！今のお気持ちは！」

「思わず個性が出てしまい申し訳ありませんでした。しかし、彼らも挙動が遅すぎます。もっと早く対処することを要求します」

「責任を擦りつけたー！寿限無如来、未参加のくせにキレッキレだー！」

「お前、いらない敵ばっか作るタイプだろ」

「ナイ。そもそも人類は皆敵です。この世は元から弱肉強食です。平和ボケは殺されても文句を言えません」

「煽り芸もキレッキレだー！」

　何かよくわからないが、走っている大体の生徒から睨まれた。プロヒーローからも見られている気がするけれど、やめてほしい。私は個性の制御ができないのに。
　相澤消太に物理的に拘束されてからは個性を一回も使うことなく、私は足の爪が一枚剥がれたまま騎馬戦をずっと傍観していた。

　昼休憩になってクラスメイトと合流すると、みんなから四方八方を囲まれる。

「寿限無！お前の個性マジでヤベーなぁ！」

「瀬呂範太、やべーとはどういう意味ですか」

「寿限無如来ちゃん！大活躍だったねー！」

「葉隠透、あれは活躍とは言えません」

「いやいや、プロヒーローみんなお前の話でもちきりよ？！マジですげーよ？！」

「切島鋭児郎…………」

　言うことがなくて口を閉ざした。すげーとは、なんでしょう。私よりも目標に向かって励む貴方がたの方がすげーのに。