第十四話 轟焦凍 ページ31
氷上に着地し、全員の容態を軽く確認する。心拍数上昇。出血あり。いつもの三人をイメージすると自然と傷口が塞がっていき、左手の人差し指の爪が剥がれる。
「左衛門三郎！ 気をつけろ！」
「？」
見ると、一つ下の氷の階層に見知らぬ男が倒れていた。
「ナイ。気絶しています」
「なら、何かでそいつを拘束して下りてこい！」
「ヤー。ぐるぐる巻きです」
鎖で縛った男と共に飛び降りて、私は彼を轟焦凍に引き渡す。
「お前、どうして来たんだ？」
「ヴィランを粗方片づけました。轟焦凍の応援に駆けつけたつもりでしたが、これはヴィランですか？」
「ヒーロー殺しだ」
「これがヒーロー殺しですか。早急な対応感服です」
私がヒーロー殺しを観察していると、「じゅげみゅにょりゃいしゃん、来てくれてありがとう」と緑谷出久に話しかけられる。
「ヤー」
「寿限無如来くん……。俺は、君も巻き込んでしまって……」
「飯田天哉、巻き込んだとはなんの話ですか」
「左衛門三郎はそういうのあまり考えてないと思うぞ」
さり気なく私の頭に手を置いた轟焦凍は、肘掛けか何かと勘違いしているのか私の頭に手を置きっぱなしにする。
「轟焦凍。私は貴方の杖では……」
「あ、じゅげみゅにょりゃいしゃん！ 手から血が出てるよ！」
私は慌てて左手を隠すが、無意味だった。
「大丈夫？！ かなりの出血量だったけど……！」
「ヤー」
「寿限無如来くんが来たのが終わってからで良かったな。ところで、君は何型なんだ？」
「Rhの陰性です」
「えっ？！ それって輸血が大変なんじゃ……！」
そんなことを話していると、プロヒーローが合流する。彼らはヒーロー殺しの存在に驚いていたが、そんなに彼はやべー奴なのでしょうか。
悶々と考えていると空中からヴィランの襲撃に逢い――
「？」
――私と緑谷出久は、何故か攫われた。
「え、ちょっ……」
→電気をイメージする
→氷をイメージする
→私が飛びます
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ｍ - 名前がｗ (2018年12月30日 15時) (
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作者名：鬼童輪廻 | 作成日時：2018年5月22日 15時
