第五話 ページ5
「Aさん、おはようございます！」
「おはよう、シン」
笑顔で話しかけてきたシンに答え、共に歩いて食堂に向かう。シンのようなタイプの子は苦手だけど、シンと話していると会話が全然尽きなくてとても楽しい。
「シンくん、Aちゃん、おはようございます〜！」
「レオ、おはよう」
「レオくんおはよう」
「良かったぁ！ 二人とももうすっかり仲良しさんですね！」
レオは昨日のことを心配していたのかにこにこと笑い、勢いをつけて私とシンの間に入り腕を絡ませた。
「ぎゅ〜ってしちゃいます〜！」
「わわっ、レオくん近いよ〜！」
確かにレオとは頬と頬がくっついてるけど、シンとの距離もレオ一人分しかなくて近い気がする。昨日はもっと近づいていたはずなのに、レオ越しにいるシンは昨日とは違うような気がして私は何度かまばたきをした。
「おまえら何してるんだ……？」
「ゆ、ユウく〜ん！ た、助けて〜！」
「シンは自力でなんとかしろよ。そんなことよりもA、昨日コウジに何か言ったのか？」
「え」
なんでユウがそれを知っているんだろう。言葉が出なくて心臓も縮む。
「コウジ、Aに嫌われたとか言って落ち込んでたぞ。別に嫌われたら嫌われたでねえちゃんに浮気を疑われずに済むのにな」
「……Aさん……」
「Aちゃん、コウジさんと何かあったんですか？」
「…………別に。何もない」
シンは知ってたのに何も言わないでいてくれた。ただ不安そうな表情でこっちを見ていたけれど、タイガと鉢合わせていきなり鼻血を吹き出してからは誰も何も聞かなかった。
「あ、そうだAさん！ 今日この後用事ありますか？！」
→ある
→ない
→そんなことよりタイガが死にそう
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作者名：鬼童輪廻 | 作成日時：2018年5月18日 15時
