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コウジなんか大っ嫌い！！ ページ41
コウジはいつもタイミングが悪い。どうしてそんな酷いことを私にすることができるんだろう。
私はコウジを怒鳴って寮から飛び出した。
「あっ、Aちゃん！」
そんな私を追いかけてくるのだから、コウジは本当に意味がわからない。
「どうして追いかけてくるの？！」
「Aちゃんが泣いてるから……」
「泣いてたら追いかけてくれるの？！」
だったら二年前に追いかけてきてほしかった。私が一番苦しい時、隣にいたのはヒロだけでコウジはいとの隣にいた。私はコウジに見捨てられていた。
「コウジのバカ！ 大嫌い！」
「Aちゃん、待って……！」
「死んじゃえ！ バカ！」
「Aちゃん！！」
涙で前が見えなくなった。私はコウジの元から全力で逃げ、プリズムストーンに駆け込む。
「Aちゃん？！ どうしたんだい？！」
冷……ううん、DJ.Cooは膝をついた私を抱き上げ、大泣きする私を全力であやした。同時に赤ん坊の泣き声が聞こえてきたけれど、そんな声で泣き止むほど私の悲しみは浅くない。
私はDJ.Cooのアドバイスを受け、エーデルローズを脱退した。そしてプリズムストーンで働きはじめ、新しい人生を始める。なのに。
「Aちゃん！ ……こんなところにいたんだね」
いとに連れられて店に姿を現したコウジは、安堵の表情を浮かべて私を抱き締めた。
「コウジ？！ 離し……」
『好きだよ』
囁かれたそれが優しすぎる嘘だってことくらい、私はちゃんとわかっていたから苦しかった。
END
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作者名：鬼童輪廻 | 作成日時：2018年8月5日 0時
