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そういえば、カヅキがあの時…… ページ20
『コウジを信じろって！ お前はなんの心配もしなくていいんだぞ！』
……って、言ってた気がする。
コウジのことを信じるなんて。そんなこと、私にできるのだろうか。
そう思ったけれど、私はコウジのことを信じていた時期があった。だから、今回もあの時と同じように信じることができればいいんだ。
「A？ お前、なんでこんなところにいるんだよ。風邪引くぞ？」
振り返ると、カヅキが寮から出てくるところだった。
「カヅキ！」
背筋を伸ばし、隣に立ったカヅキの為に場所を詰める。カヅキは私の隣に座り、足を伸ばして私を見た。
「また何か悩んでるのか？」
「ううん、もう大丈夫」
カヅキは「そっか。良かったな！」と私の頭を撫で、「カヅキのおかげ」と私が返すと「俺の？」と驚く。
「うん。カヅキの」
笑い、私は肩の力を抜いて夜空を見上げた。
→第四話
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作者名：鬼童輪廻 | 作成日時：2018年8月5日 0時
