【KING OF PRISM】伝説の女だけど放っておいてほしい√タイガ (ページ36)

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第九話ページ36

「……すんません」

　私の言葉を受けて、タイガが短く謝った。

「守れるような男になるって言ったのに……足の怪我、悪化してるって言われて……俺……」

「足の怪我はアレクとバトルした時からこうだったから……」

　……タイガが気にすることじゃない。そう言いたかったのに、タイガの目つきが急に変わった。

「じゃあなんでずっと黙ってたんですか！俺、Aさんから見たらまだまだ頼りないとこばっかかもしれないですけど……辛いなら辛いって言ってくださいよ！」

　顔を上げたタイガの目は充血していて、それくらい心配させていたんだと私はようやく自覚する。いや、多分、タイガに関してはもっと前からだろう。
　タイガが上京してきて、エーデルローズに入寮して、私と食堂でばったりと会った時。急に顔を真っ赤にさせて廊下に引っ込み、段々と曇っていくその顔を私は横目で眺めていた。

　その意味がまったくわからなかったけれど、今ならわかる。

　タイガは、あの動画を見て私にも憧れの眼差しを向けてくれていた。それはカヅキがいたからであって、私単体に向けている思いは偽物だと思っていた。
　けれど、タイガは私自身をちゃんと見た上で、カヅキと私を別物としてちゃんと考えた上でまっすぐに私に憧れを抱いてくれていたのだ。

　だから、あの動画でしか姿を見ることができない私のことを彼はずっと心配していたんだろう。そう考えたら、目の前にいるタイガのことが急に愛おしくなった。

→私、頑張る！
→ありがとう！
→地獄心中！　無限ハグ！