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第六話 √α ページ14
「タイガ、どこに行くの？」
早朝に出かけようとするタイガが気になって声をかけると、タイガは「ぎくっ」と言いながら両肩を上げた。
「……山っす」
「やま？」
タイガが、山に……。なるほど。
「私も行く」
「えぇっ？！」
「私も鍛える」
鍛えなきゃ、今度アレクと会った時に負けてしまうかもしれない。それに、タイガのように今でも私のことを慕ってくれている人の為にも、情けない姿を見せるわけにはいかない。
「ッ！ か、勝手にすればいいんじゃないですか？」
「……ありがとう」
てくてくと、二人で近くの山を目指していった。タイガは微妙な距離を保ちつつ、時々振り返って私を見る。
「えっ……あっ？！」
その時、私が立っていた地面が崩れた。足が痛くなかったらすぐにタイガの元へと飛び移れたのに、足に力が入らなくってすっ転ぶ。
「Aさん！」
タイガはぎょっと目を見開き、わずかに手を伸ばそうとして躊躇った。自分が真っ逆さまに落ちていく感覚がある。このままだったら――私は死ぬ！
→タイガ！
→受け身をとる
→アレク！
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作者名：鬼童輪廻 | 作成日時：2018年5月31日 20時
