【KING OF PRISM】伝説の女だけど放っておいてほしい√ユキノジョウ (ページ18)

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第六話ページ18

思い出深いこの地であったコウジとの日々はいつだって綺麗で、必然的にプリズムストーンの前を歩く。

『本日の特集は、ストリート系のプリズムスタァです！』

　どこからともなく声が聞こえてきた。顔を上げると、テレビに映っていたのは私とカヅキの動画で。

「えっ……？」

　頭が真っ白になった私は、その場に立ち尽くした。

『ストリートのカリスマである仁科カヅキ選手とバトルした少女は、一体何者なんでしょうか』

　慌てて動画サイトへと飛ぶと、また再生回数が伸びている。いや、そんなことより……。怖くなって思わず動画を消してしまった。私は、消してしまった。
　声が出なくなって体が震える。口元を手で抑え、私は全身の血が引いていくのを感じていた。

「ねぇ、あそこにいるのさっきテレビに映ってた子じゃない？」

「あ、ほんとだ！写真撮ってもらおーよ！」

「！？」

　気づけば通行人のほとんどが私に視線を向けていた。怖い――なんて生易しいものじゃない。私は慌てて駆け出して、追いかけてくる人たちを撒くことに専念した。

「はぁっ、はぁっ！」

　引退したからか体力が落ちている。私は河川敷に寝転がって、空を見上げた。空はもう橙色で、どれほど長い間逃げていたのかさえわからない。
　私は息を整えて、手で顔を覆った。こういう時、何を使ったら寮までちゃんと帰れるのだろう。

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