【KING OF PRISM】伝説の女だけど放っておいてほしい√ユキノジョウ (ページ5)

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第二話ページ5

「…………」

　その後すぐにミナトに捕まり、先に体の汚れを落として来いと浴場に入れられる。私は明らかにむすっとした顔をなんとか直し、せめてリラックスしようと湯船に身を沈ませた。動画のこともあるし、せめてこの時だけは――瞬間、浴場の電気がすべて消えた。

「ッ！？」

　何事かと身を強ばらせ、停電だとすぐに気がつく。停電だとわかればもう何も怖くはなかった。山田辺りがすぐになんとかしてくれるだろう。そう思ったのに、数分経っても何故か電気はつかなかった。心なしか、お湯がぬるくなっているような気がする。
　どうしたんだろうと思って立ち上がり、私は仕方なく湯船から上がった。まったく、山田は何をしているのか……。

「A、入浴中にすまない」

「ッ！？」

　驚いて足を止めると、ユキが壁の裏側に隠れたまま私に声をかけているのがわかった。一切姿を現さず、私のことを気遣うような申し訳なさそうな声色を出している。

「ユキ、どうしたの？一体何が……」

「ブレーカーが落ちたようだ。山田さんは外出していて、ここには今俺たちしかいない」

「わ、わかった。じゃあ私がなんとか……」

「いや、お前はここにいてくれ。俺たちでなんとかしようとしたんだが、いかんせん懐中電灯の収納場所がわからなくてな……」

　ユキは本気で困っているようだった。収納場所さえわからないのに、自分たちでなんとかしようだなんて無謀にもほどがあるような……。

→私がやるから
→他には誰が？
→場所は……