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ｽｰ・・・ｽｰｰｰ・・ｽﾋﾟｨ・・
1LDKから大量の寝息が聞こえる。そりゃあ全員潰れたらこんなもんか、困ったヤツらだぜ・・・
唯一お酒のペースを保っていた私は、みんなを強引に寝かせて布団をかけ、片付けを始める。
「あーほんとに、寝顔だけは可愛いんだからそのうるささ何とかしろ・・・」
ブツブツ文句を言いながら作業するけど、自分もやっぱり酔ってしまって少し意識が遠くなってきた。
やば、動いたらやっぱりフラフラするな・・・
頭も浮ついてきた・・・
大量の空き缶をキッチンに運ぶと、誰かの腕が私の肩に回ってきた。この腕はジェノくんだ。そもそもジェノくんくらいしかこんなことしないか。首に顔を埋められてかなりくすぐったい。
「ジェノくん・・・？」
そのまま正面を向けられると、何かスイッチが入ったように、何も言わず少し強引にリビングの壁まで詰めてくる。
「ジェノくん、ごめん、怒ってる・・・？」
突然のことに動揺している私を見て可愛い、と呟くジェノくん。どうやら違うようだ。初めて見る雄のジェノくんに私は心臓がバクバクして今にも火がつきそうなのに、当の本人は平然としている。
それに段々と近づいてきた綺麗なその顔は、にこにこ笑っているけど目の奥が熱くて、なんだかムズムズしてしまう。どんどん距離は詰まって、ジェノくんの高い鼻が触れそうなところで思わず目を瞑る。
JN「・・・すると思った？可愛いね」
「っえ、」
これは絶対に酔ってない。慌てて変な声が出ると、グイッと腰を引かれ、そのまま唇を塞がれた。
「ん、っ、はぁっ」
やばい。息ができない。
酸欠なのか脳みそが機能していない。溶けそう。
落ち着け、自分・・・。
ジェノくんに操られるように、スルスルと身体の力が抜けていく。
ジェノくん、なんでこんなに慣れてるの・・・？
されるがままになっていた私はとうとう腰に力が入らなくなって、気付いたらジェノくんに抱っこされていた。
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作者名：ララリ | 作成日時：2021年1月17日 14時
