無意識って怖いよね ページ33
CS「これ、預かってて？」
そう言って渡されたのは腕時計と指輪。
今日撮影するootb STUDIOの転科者は調理学科だった。
調理中に汚れてはいけない、と思ったのであろうチャンソプさんが手渡してきたのだ。
調理学科だし、衛生面に配慮するという観点からしても外すのには賛成するけど…。
私「いや、良いんですけど…普通、カメラ止まってから渡
しません？」
CS「あ、無意識…」
周囲のスタッフさん達も苦笑いである。
チャンソプさんに何も言わずに参加した撮影以来、定期的に同行するようになったのだが、同行する日は決まって撮影が巻く反面、撮影中の無意識発言が多くて編集のスタッフさんに申し訳なくなるのだ。
私「はぁ…チャンソプさん、プロなんだから…仕事はきっ
ちりしましょ？」
CS「す、すみませんね…」
どぎまぎするチャンソプさんを見てスタッフさんが笑い出す。
スタッフさんに笑われて恥ずかしくなったのか俯きながら耳を真っ赤にするチャンソプさん。
…何あれ、可愛い。
チャンソプさんとスタッフさんが一斉にこっちを見た。
そして笑い出すスタッフさん達。
え？私何かした？
混乱する私を見て、チャンソプさんが口を開く。
CS「ちょっと…俺が無意識なのと同じくらい無意識に口
から出てるじゃん…」
私「…えっ？」
CS「何あれ可愛い、じゃないのよ…」
私「す、すみません…失礼しました…」
スタッフさん達がクスクス笑っているのが分かる。
うわぁ…恥ずかしい…恥ずかし過ぎる…。
隅っこに移動し俯く私。
CS「あ、口から出ちゃうの分かった気がする」
私「…何の話ですか？」
CS「何あれ可愛い…って」
私「わぁ…やめて…本当に恥ずかしいから」
CS「ふふっ、可愛い」
この日の動画は腕時計や指輪を外しているチャンソプさんが話題になり、私達の破局説が流れた。
しかし、それに考慮したのか、動画の概要欄にスタッフさんが余計な文章を付け加えたために別の意味で話題になってしまった。
SJ「無意識にチャンソプさんが惚気けられる現場は、不思
議な空気が漂っており、"何あれ可愛い"状態でした…？
…何この概要、どういう意味…？」
私「…」
CS「…」
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作者名：HMHN | 作成日時：2023年6月16日 22時
