胸がぎゅっとする ページ23
私は今、事務所で頭を悩ませている。
来週のスケジュールに音楽番組のインタビュー収録が入っているのだが、スタッフに事前アンケートの依頼があったらしく…。
今日のスタッフのミーティングにおいて、満場一致で私が事前アンケートの回答をする事になったのである。
…何で私なの。
私「いや…他にも回答出来る人いるでしょ」
@「何言ってるんですか?適任じゃないですか!」
私「えぇ…」
@「メンバーのためにも頑張って回答してあげてください
ね?じゃあ、お先に失礼しまーす」
私「あぁ…もう…お疲れ様でした…」
…さてさて。何を回答すれば良いのやら。
私は1人、また1人と退勤していく事務所でアンケートに取り掛かる事にした。
私「よしっ…あとは…送信するだけ…かな?」
埋め尽くしたアンケートの誤字脱字を確認していると、ふと目に入ったスマホ画面にオッパからのカトク通知が溜まっている事に気付く。
"仕事終わって帰宅したけどまだ仕事?"
"迎えに行こうか?"
"仕事終わったら連絡して、迎えに行くから"
"何時でも迎えに行くからね"
あぁ…オッパはどうしてこうも自分の立場を考えずに優しさだけで行動しようとするのか…。
文字しか見ていない筈なのに、オッパの顔が脳裏にちらついて胸がぎゅっと締め付けられる。
愛しくて愛しくてたまらない。
私「オッパの事、凄く好きだなぁ」
CS「ふふっ…ありがとう」
私「ん?」
振り返るとオッパがいた。
満面の笑みでコーヒーを2つ持っている。
私「…え?何で?」
CS「うーんと…家で待っていられなくて迎えに来た」
私「カトクの意味ないじゃん…」
CS「ふふっ、そうなんだけどさ…」
私「オッパ、ありがとう……よしっ、丁度仕事終わった」
CS「帰ろっか!…そういえば、何の残業してたの?」
私「んー?内緒」
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作者名:HMHN | 作成日時:2023年6月16日 22時