早い方がいい ページ39
あれから数日。
太宰さんは私にあの女の事について情報をくれた。
彼曰く、君の頭でそれだけあれば必ず出て行くだろう、と。
同じ考えを持った彼が言ってるんだ。
大丈夫だろう。
その情報というのは、
彼女は本当に社長令嬢であるということ。
中也を暗殺する為にここに来ているということ。
そして、本当の目的は私だということ。
どうやらあの女は私のいた研究所の偉い人と関係があったらしい。暗殺はその復讐だろう。
目的が私というのは、黒狐が珍しく高く売れるだけでなく若いから男に売れそうだという金儲けの為だと思う。
もう一つ大きな情報は、女の父親はマフィアを潰そうとしている。
これだけあれば十分だ。
後はどう仕掛けるか……。
中也「おい、A」
貴方「ん？何？」
中也「いや、俺の嫌いなヤツが考え事する時と同じ目付きだったからついな」
貴方「あ、ごめんね」
優しく頭を撫でる彼。
もっと中也に触れててほしい。
中也「じゃ、行ってくるから」
貴方「気をつけてね」
優香「今日はどれくらいにお帰りに？」
中也「遅くなりそうです」
そう言う彼を見送りソファーにごろんと横になる。
どうしようかな。
物は揃ってるし、中也がいない方が話しやすい。
んーと悩むだけでどんどん時間が過ぎていく。
『君と私の違いは物事を疑いの目で見れるかどうかだね』
数時間経った頃、突然思い出した太宰さんの言葉。
疑いの目で見れるかどうか……。
……行動を起こすのは早い方がいい。
そうだ。早い方がいい。
ソファーから起き上がって台所に立つ優香さんを見る。
優香「犬は犬らしく外にいたらどうなの？」
貴方「犬じゃないって何回言ったらわかるの。馬鹿なの？」
右手で携帯を操作してソファーの端にそっと置く。
勝ち誇ったような笑みを浮かべる彼女。
負かす時が来た。
優香「そんな口を聞くなんて躾がなってないわね。……そうだわ。買い物、一緒に来てもらおうかしら」
貴方「嫌。どうせそのまま私を引き渡すつもりでしょ？」
優香「何の事かしら」
貴方「全部知ってる。私を拐って高く売ろうとしてる事も、中也を暗殺しようとしてることも、私がいた研究所の偉い人と関係があった事も」
目を見開く女。
後は時間の問題かな。
優香「どうしてあなたがそんな事知ってるの。いいわ。死んでてもそこそこいい値で売れるでしょうからここで死んでもらおうかしら」
銃を向ける彼女。
悪いけど研究所にいた頃から慣れてるから怖くも何ともない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 548人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紅野(プロフ) - ソリバさん» いつもありがとうございます…！続編になりそうな気もしますが、もう少し考えてみますね。 (2017年11月7日 23時) (
レス) id: b65496d137 (このIDを非表示/違反報告)
ソリバ(プロフ) - いつも楽しみにしてます！できれば続編お願いします！！ (2017年11月7日 14時) (レス) id: c80ce2fe4d (このIDを非表示/違反報告)
紅野(プロフ) - ニャン将さん» ありがとうございます！もう少し検討させてもらいますね…！ (2017年11月6日 23時) (レス) id: b65496d137 (このIDを非表示/違反報告)
紅野(プロフ) - 埃さん» いい作品だなんてありがとうございます…！何ででしょう… (2017年11月6日 23時) (レス) id: b65496d137 (このIDを非表示/違反報告)
ニャン将(プロフ) - 続編希望します！！ (2017年11月6日 18時) (レス) id: a5f5e3b412 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：紅野 | 作成日時：2017年9月2日 16時
