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知らない人間 ページ3

怖い。
何時も数時間に一人人間がやってきて食べ物を与えて去っていく。
でも今日は違う。
居座ってる。一人の小柄な男。黒い帽子から見える明るい色の髪、青い瞳、黒のチョーカー…。


人間は怖い生き物だ。
私だって人間じゃない訳じゃないけど完全な人間でもない。
中途半端な生き物なんだ。
だから人間の様には生かしてくれない。でも完全な動物でもないから動物の様にも生かしてくれない。
その最終手段が実験台だ。
暴力と薬品と罵倒だらけのどう考えても綺麗とは無縁の世界で生きてきた。
それが普通だった。普通じゃないとわかっていてもそれ以外が存在しない世界。だから嫌でもそれを普通だと錯覚させられた。

それが普通のはずだった。
数日前、突然この小奇麗な部屋に連れて来られた。
今度は何をされるのかとビクビクしていた結果、特に何もなし。
今日初めて起こったことは、この男が居座ってること。
…またこの人間も私に何かするんだろう。
そう身構えて数時間。何もしてこない。
紙と永遠ににらめっこをしてるだけだ。



そんな日が三日続いた。
毎日その人間はやって来て、私に何をするでもなくここに居座って去って行く。
今日で四日目。

「おい、」

突然発せられた声に吃驚してつい耳と尻尾が出てくる。
え、何。でもおいって言った。それは私を呼んでるの?でも何で今?
思考を巡らせていると足音が近づいてきた。
その足音は私の目の前で止まった。
視線を上げると青い瞳が私を見つめていた。

怖い。

何を考えているかわからない。

少し大きい自分の尻尾をぎゅっと抱き締める。
別に怖さが和らぐ訳ではない。でも何も無いより安心する。気がする。
その男は私の目線まで屈んでまたじっと見つめてきた。


少ししてその男の手袋をした手が此方に向かって伸びてきた。
怖いやめて来ないで…!
そう思っているうちに体は狐の姿に変わり、その男の腕を噛んでいた。

恐怖心の和らげ方→←資料内容(設定)



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紅野(プロフ) - ソリバさん» いつもありがとうございます…!続編になりそうな気もしますが、もう少し考えてみますね。 (2017年11月7日 23時) (レス) id: b65496d137 (このIDを非表示/違反報告)
ソリバ(プロフ) - いつも楽しみにしてます!できれば続編お願いします!! (2017年11月7日 14時) (レス) id: c80ce2fe4d (このIDを非表示/違反報告)
紅野(プロフ) - ニャン将さん» ありがとうございます!もう少し検討させてもらいますね…! (2017年11月6日 23時) (レス) id: b65496d137 (このIDを非表示/違反報告)
紅野(プロフ) - 埃さん» いい作品だなんてありがとうございます…!何ででしょう… (2017年11月6日 23時) (レス) id: b65496d137 (このIDを非表示/違反報告)
ニャン将(プロフ) - 続編希望します!! (2017年11月6日 18時) (レス) id: a5f5e3b412 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紅野 | 作成日時:2017年9月2日 16時

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