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本音は呪いだった様で ページ30

貴方「先刻、我儘を言っても甘えても怒らないって言ったよね」

太宰「言ったよ。それがどうしたの?」

貴方「どんな事までしてくれるの?僕がして欲しいって言ったら」

太宰「可能な事は基本何でもするよ。あ、でも君を殺すとかはしたくないな」

貴方「そんな事言わないよ。先刻はおかしくなってただけ。…我儘、言ってもいいかな」

太宰「聞かなくたって良いに決まってるじゃあないか」

貴方「なら、明日一日仕事休んで僕の為に一日を使って。僕の傍にいて。僕の事だけを見てて。その愛が本物の愛だって身体で教えて」

仕事休んで、なんて怒られるに決まってる。
でも丸一日彼を自分のものにしたい。

太宰さんが好きなのは僕だけ。

彼が口を開きかけた時突然何を言われるのか怖くなった。
それに自分が言った事で彼に後々迷惑がかかったらどうしよう、と思った。

貴方「…ごめんなさい。やっぱりいいや。先刻から変な事ばっかり言ってるね、僕。休んだ方が良いのかも」

誤魔化す様に笑うと彼は少し悲しそうな顔をした。
僕の肩を優しく撫でながら子供に言い聞かす様な口調で彼は言った。

太宰「本音隠さなくたって良いんだよ。勿論、君の生きてきた世界ではその技術がないと身が守れなかったのはよくわかる。けれどね、その技術は私には必要ないよ。隠していてもわかるからね。本当に思ってる事、聞かせて?」

そうだ。太宰さんには何を隠したって無駄なんだ。
怖いくらいの観察力で見破ってしまうから。
それに二度も僕を助けてくれた彼に隠し事をするなんて馬鹿らしく思えてきた。
きっと太宰さんならどんな事を言っても本当に怒らない。
怒っても今までの人たちみたいに殴ったりはしないだろう。

貴方「……もっと僕を見てほしい。傍にいてほしい。苦しい思いはもうしたくない。……太宰さんにもっともっと愛されたい」

太宰「それだけ?」

貴方「吸血鬼だって事が怖い。不安。太宰さんも本当は僕が吸血鬼なの嫌なんじゃないかな、とか、飽きたら捨てられるんじゃないかな、とか、何時か自己満足の為だけに生かされるようになるのかな、とか思うと苦しくなる。人間として生まれたかった…」

また泣きそうなのを我慢していると太宰さんは優しく僕の頭を撫でて微笑んだ。

太宰「……いいよ。明日何処か行こう。全部消してあげる」

貴方「え、駄目。国木田さんに怒られるでしょ」

太宰「君の為ならそれ位なんてことないさ」

あぁ、ズルいな。
そういう所が好きなのバレてるの?

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設定タグ:文スト , 太宰治 , 紅野   
作品ジャンル:恋愛
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紅野(プロフ) - まんじゅうねこさん» ありがとうございます!ゆっくりですが頑張ります! (2018年10月21日 23時) (レス) id: b65496d137 (このIDを非表示/違反報告)
まんじゅうねこ(プロフ) - 続編移行おめでとうございます!!!此れからも頑張って下さい!!!応援させていただきます!!! (2018年10月20日 22時) (レス) id: 5748b81071 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紅野 | 作成日時:2018年10月19日 21時

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