言わないで×14 ページ16
それから暫くして織田さんは忙しそうにし始めた。
前なら家でゆっくりしていた日もあったけど、今は一日に一度帰ってくる程度だ。
坂口さんが居なくなったらしい。
その捜索に織田さんは忙しくしている。
何かが怖い。
悪い予感とでも言おうか。
兎に角良い事じゃない様に思える。
織田さん、見つかったって笑って帰って来てよ。
出来るだけ早く。
じゃなきゃ私は恐怖に潰されてしまう。
折角の休みだが街中をぶらぶら歩く事に費やしている。
家で一人になるよりよっぽどいい。
でも織田さんの事が気にかかる。
自分でもわかるほど足取りが重い。
ふと立ち止まって人の波や車の列を見る。
路上駐車している黒い車。見た事あるような気がした。
近くのベンチに座り見続ける。
人が乗っている。
もしマフィアの敵なら追って殺す。
少しして走ってきたスーツ姿の男が車に乗り込んだ。
貴方「……え？嘘でしょ。…………坂口さん…？」
どう見てもあの丸眼鏡、スーツ、髪型、背格好は坂口さんだった。
何してるの……？織田さん探してるんだよ？
走り去って行った車をただただ呆然と見続ける事しかできなかった。
坂口さんの事はよく耳にしている。
でも直接会ったのは数回だけ。
だから似ている人だったかもしれない。
あれ、でも待って、あのナンバー。
見た事ある。
私が避け続けている車じゃないか……？
あれに遭遇してはいけない。そう思いながら仕事をしていた。
今思い出した。あれは政府の車だ。
厳密に言えば異能特務科の。
スパイだったって事……？
ありえない。織田さんは坂口さんの事大切な友達だからなんて言って、今も必死に探している筈なのに。
死んでしまえばいいのに。
坂口さんが死んだってことになれば織田さんは諦めて帰ってくるのに。
車を追おうかと考えていると後ろから肩を掴まれた。
「やめるんだ。君の考える事はよくわかる。君がそうしようとする理由だって見当がつく。けれどね、それだけはやめるんだ。そんな事をしても織田作は喜ばないよ」
振り返るとそこには数人の部下を引き連れた太宰がいた。
貴方「何でここに。触らないで」
太宰「織田作の所に行く途中でね。余計な事は考えないで帰るんだ。いいね」
普段はない太宰の圧に押され嫌だなんて言えなくなった。
彼には何かが見えているみたいだった。
貴方「……わかった。今日だけだから。あんたの言う事真面目に聞くとか」
太宰「いいよ。今日だけで。じゃあ」
そう言って足早に去って行った。
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アミ - この作品、すごく面白かったです!!更新頑張ってください! (2020年4月8日 11時) (
レス) id: 808cf034c3 (このIDを非表示/違反報告)
紅野(プロフ) - モクズノドウケシさん» ありがとうございます…！掛け持ちしてるせいで更新かなり遅くなってしまいましたがここからまた頑張ります！ (2019年1月5日 23時) (レス) id: b65496d137 (このIDを非表示/違反報告)
モクズノドウケシ(プロフ) - 織田さんの出した最後の正しい道……。感極まります……、続きだ。嬉しい。更新頑張って下さいね！ (2019年1月5日 13時) (レス) id: fd101bcda6 (このIDを非表示/違反報告)
紅野(プロフ) - ｼﾞﾌﾞﾘｰﾙさん» ありがとうございます！ゆっくり更新ですが頑張ります…！ (2017年12月27日 13時) (レス) id: b65496d137 (このIDを非表示/違反報告)
ｼﾞﾌﾞﾘｰﾙ - 続きが凄い気になります！更新待ってますね！ (2017年12月24日 22時) (レス) id: 41cfeef620 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅野 | 作成日時：2017年10月8日 22時
