言わないで×13 ページ15
あれから更に少しした頃。
またしても廊下で太宰とばったり会った。
最悪。
太宰「どう?最近は」
貴方「関係ないでしょ」
太宰「そんな事ないよ」
貴方「そうだ。何であんたと織田さんが知り合いなの」
太宰「え?織田作?」
本気で驚いてるって事は私と織田さんが一緒に住んでるの知らないみたい。
なら別に深入りする事もないや。
貴方「何でもない」
太宰「どうして織田作を知ってるの?ねぇ」
貴方「うるさい。もういい」
太宰「わかったよ。今度織田作から聞くよ」
貴方「私もう行くから」
太宰「あ、はいこれ」
無理矢理握らされたのはかなりの厚さになった茶封筒が二つ。
片手で持つのはギリギリ。
貴方「何」
太宰「お小遣い。じゃあね」
足早に去って行く太宰の背中を見ながらこの封筒が何なのか考えた。
でも、『お小遣い』って……。
真逆と思い中を覗くと大量の現金が入っていた。
いやいやいや、幹部になったらこんなにお金入んの?おかしいでしょ。幾らあんのよ。つかなんで私に?何なのあの人。
金額を数えて気づいた。
これ、返済する借金五回分だ。
しかもぴったり。
もしかして私の借金の事知ってる?いやでも言ってないし。首領が教えた?そんなわけないか。じゃあどうして……。
まぁ有難く貰っておこう。
昔何処ぞのアヒルが出てる生命保険のCMでもお金は大事だって歌ってた。←
冗談はさて置き、きっと太宰は私と織田さんの関係を調べるだろう。
織田さんなら聞けば話しそうだけど…。
別に知られたくないって訳じゃない。って言ったらちょっと嘘になるけど。
知られたくないけどどうせ彼奴の事だ。遊び半分で探って特定するだろう。
だから諦めてる。
でも、織田さんにも太宰にも助けてもらって返済するってのは何か、ちょっとなぁ……。
別に悪くはないけど、やっぱり自分で返さなきゃって。
んーまぁ心配してやってくれてる事だから有り難いんだけどね。
太宰はそんな風に思ってるか知らない。
あんな人の事考えてる暇ないし。
いいや。
返しても断られるだろうからもらっとく。
返しに行くのも嫌だし。
そんなのいいから仕事しよ。
森さんに怒られる。
いや、怒られたことないけど。
私が怒られてなくても織田さんが怒られてるかもしれない。
それは避けたい。
織田さんはいい人だ。
絶対に迷惑はかけたくない。
だから仕事しなきゃ。
こうしてまたノワールの羽根は黒くなる。
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アミ - この作品、すごく面白かったです!!更新頑張ってください! (2020年4月8日 11時) (レス) id: 808cf034c3 (このIDを非表示/違反報告)
紅野(プロフ) - モクズノドウケシさん» ありがとうございます…!掛け持ちしてるせいで更新かなり遅くなってしまいましたがここからまた頑張ります! (2019年1月5日 23時) (レス) id: b65496d137 (このIDを非表示/違反報告)
モクズノドウケシ(プロフ) - 織田さんの出した最後の正しい道……。感極まります……、続きだ。嬉しい。更新頑張って下さいね! (2019年1月5日 13時) (レス) id: fd101bcda6 (このIDを非表示/違反報告)
紅野(プロフ) - ジブリールさん» ありがとうございます!ゆっくり更新ですが頑張ります…! (2017年12月27日 13時) (レス) id: b65496d137 (このIDを非表示/違反報告)
ジブリール - 続きが凄い気になります!更新待ってますね! (2017年12月24日 22時) (レス) id: 41cfeef620 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紅野 | 作成日時:2017年10月8日 22時