好き?×20 ページ22
ほんの少しだけカーテンから漏れる光。
まだ朝早いんだろう。
もう一度寝ようと隣で寝る彼の胸に顔を埋める。
目を閉じると昨日の(と言っても日付は変わっていたけど)夜の事、彼の声がフラッシュバックする。
『可笑しくなりそうなんだ』
『続きもしよう?』
『Aも私のこと相当好きだね』
『今は私だけを見てよ』
『愛してる』
『今くらいは昔みたいに呼んで』
昔みたいに…か。
それってかなり前だよ。
彼が幹部になるよりずっと前。私が十歳とかそのくらいの時までだったと思う。
小さい頃、私は彼や中也を兄の様に慕っていた。中也は今もその名残で会うとつい色んな話をしてしまう。今思うと小さい頃は中也にべったりだったなぁ…。
太宰に関してはどんどん大人びていって優しい事も言わなくなった。そこら辺からだろう。彼の事を嫌いだと思うようになったのは。
今の彼は好き。でも昔みたいには戻れない。何処かでそう感じてる。
貴方「……治」
昨日散々呼んだくせに今は恥ずかしい。
音にならない様な声で言うとぎゅっと抱き締められた。
突然の事にびくっとしてしまう。
太宰「可愛いなぁ…。昨日の思い出した?」
寝起きの少し掠れた声で意地悪く言う。
貴方「別に、そんなんじゃ、ないもん」
誤魔化すように彼の背に腕を回す。
少し上を向くと普段は包帯で隠れている彼の首元、鎖骨が見えた。
その白い肌をすっと撫でる。
太宰「何?」
貴方「何で包帯しちゃうの」
太宰「駄目?」
貴方「んー、勿体無いなぁって」
太宰「Aだけの特権だよ?他の人に見せて歩いていいの?」
貴方「それはだめー」
ふぁぁっと欠伸をすると彼は小さく笑った。
太宰「もう一回寝よっか」
頭を撫でられる感覚が気持ち良くてその儘また夢の中へ落ちていった。
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次の次の次位に乱歩さんと賢治くんと鏡花ちゃん出てきます。予定だけどね!
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自殺したい - 返信ありがとうございます!!私も今初めて小説を書いていますが難しいですね、、、。中3の頭ではキツいです、、。 (2017年10月30日 23時) (レス) id: 97c9eaf3cf (このIDを非表示/違反報告)
紅野(プロフ) - 自殺したいさん» ありがとうございます…!最近はペースが落ちてきてますが気長に待ってもらえると有難いです…! (2017年10月25日 23時) (レス) id: b65496d137 (このIDを非表示/違反報告)
紅野(プロフ) - 味の素さん» 返信遅くなりましたが、ありがとうございます…! (2017年10月25日 23時) (レス) id: b65496d137 (このIDを非表示/違反報告)
自殺したい - めっちゃいい話ですね。。。大好き。。 太宰さんがかっこいいーー!!泣いちゃいました。何回見ても飽きな!! これからも頑張ってください! 続きを楽しみにしながら腕に包帯を巻いておきます!!! (2017年10月25日 16時) (レス) id: 97c9eaf3cf (このIDを非表示/違反報告)
味の素(プロフ) - 更新がんばってください!応援しております! (2017年10月1日 22時) (レス) id: d5befd4dfc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紅野 | 作成日時:2017年8月25日 23時