十四言目 ページ17
昨日の夜、抱きつかれた事は酔っていたからで理由がつく。
でもそれ以外、只今と言った事や今朝優しい言葉を掛けて心配してきた事や見えてもおかしくない所にキスマークつけてきた事や今手元にあるこの手紙については理由がわからない。
どうしちゃったの……!?
まだ只今って言ったとか今朝優しくしてくれた事とかは彼が元々凄く優しい人だからわかるけど、何この手紙！何今朝の色気とかこのキスマークとか！
そんな人じゃなかったじゃん!?
手を繋ぐ事すらしてくれなかった人が！どうしたらこうなるの！
「Aさん、落ち着いて下され」
貴方「うっ、ごめん、芥川。つい感情的になっちゃった」
本当は樋口ちゃんか広津さんに当たろうと思っていたけど芥川しかいなかったから溜まりに溜まった想いを芥川にぶつけまくっている。
芥川「其れは構いませぬ。ただその相談相手が僕というのは間違いでは……？」
貴方「聞いてくれればいいの。芥川は深く追求しないし」
芥川「その様な事には興味がありませぬ故」
彼が私に敬語なのは太宰の秘書をしてたからもあるし、自分より私の方が優れていると思ってるからだ。
そんな事ないのに。
貴方「そっか。ねぇ、聞いてもいいかな」
芥川「僕にわかる事であれば」
貴方「芥川は昨日今日の中也の言動、どう思う？」
芥川「どう……。Aさんに凄く好意があるのでは」
え、好意……？
中也が私の事好きだって事？
いや、それはまぁ一緒に住んでる時点であるかもしれないけど、凄くって何。
凄くって！
中也がおかしいのは私の事が好き過ぎるせいだって言いたいの？
そんな訳ないじゃん。
だったらもっと前からなってるはずでしょ。
芥川「Aさん？」
貴方「そ、それは、ないよ」
芥川「そんな顔で言われましても期待してる様にしか見えませぬ」
貴方「え、どんな顔」
芥川「鏡で見るのが宜しいかと」
近くにあった(たぶん樋口ちゃんの)鏡を取って自分の顔を見る。
そこには確かに期待を抱いた様に頬を赤くする自分がいた。
……しょうがないよ。
中也の事、本当に好きなんだもん。
恋を知る前に恋した人が勘違いしてもおかしくない行動をしてる。
そんなの良いように解釈したくなる。
でもきっと彼にそんな気はない。
一時の気の迷いだ。彼がいくら妥協しても私なんかにあんな事する筈ないもん。
私は彼の為に生活出来るだけで嬉しいし、同じ空間にいられるだけで満足だから。
……私はきっと中也の彼女なんかじゃない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 637人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紅野(プロフ) - お白湯さん» コメントありがとうございます。やっぱり同じになる人多いですよね。いつも名字つけようか迷ってつけるのですが読む人にとったらどうなんでしょうか……。 (2019年1月13日 22時) (
レス) id: b65496d137 (このIDを非表示/違反報告)
お白湯 - 夢主ちゃんの名字が、私の本名の名字と読み方違うだけでびっくりしました（笑） (2019年1月13日 1時) (レス) id: fa6e0c5cd0 (このIDを非表示/違反報告)
紅野(プロフ) - 聖宮さん» ありがとうございます！頑張って書こうと思います！ (2018年10月1日 23時) (レス) id: b65496d137 (このIDを非表示/違反報告)
聖宮(プロフ) - 寧ろ書いて欲しいです、続編楽しみに待ってます！ (2018年10月1日 20時) (レス) id: 956436ae5b (このIDを非表示/違反報告)
紅野(プロフ) - 月詞さん» ありがとうございます！いつもゆっくり更新ですが頑張りますね！ (2018年9月28日 19時) (レス) id: b65496d137 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：紅野 | 作成日時：2018年4月15日 0時
