お礼(番外編) ページ8
お久しぶりです。
紅野です。
とても沢山の人に見て頂けている様で、まさかのランキング入り、沢山のお気に入り登録、有難う御座います!
これからどんどん更新していきますのでよろしくお願いします。
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これはまだ私が太宰の幹部補佐兼秘書をしてた時の話。
中也と会う機会なんて無いのでは、と思われるかもしれないが、太宰と中也は双黒と呼ばれだしてから同じ現場に連れて行かれる事が多く、太宰に付いて歩かなきゃいけない私も自然と中也に会う事が多かったのだ。
この日も任務で外に来ていた。
二人がギャーギャーと言い争いをしていると太宰が呼ばれていなくなってしまった。
普通ならついて行くけど、来なくていいよって言われてしまった以上ここにいるしかない。
お互い無言。気不味い……。
中也「……此方座ってろ。どうせあの木偶は呼ばれてったら当分帰ってこねェだろ」
大人しく小さなコンテナの上に座る中也の横に一人分の距離を開けて座った。
寒い。やっぱり夜は冷える。
目を閉じれば少し遠くの家々から声が聞こえる。
これは心の声。思ってる事。夫婦間の愚痴だったり、反抗期の子供の怒りだったり、犬猫の寝言だったり。
まだ制御しきれてないせいで気が緩むと聞こえる。
でもこんなに近くにいるのに中也のは聞こえない。
それが不思議で堪らなくて距離を詰めた。
隣に来てもまだ聞こえない
もっと、もっと近くに。
そう思っている内に彼の体に耳をくっつけていた。
中也「何だよ」
貴方「あ、ごめん。……中也の声、聞こえなくて」
中也「本当に聞こえねェのか、それとも聞かないようにしてンのか。どっちだ」
貴方「……聞こえない」
中也「ならもっとちゃんと聞け」
そう言って黒い手袋をした手が私の頭をぐっと彼の体に近づけた。
でもどれだけ経っても彼の言葉は聞こえない。
凄く集中しているのに……。
貴方「……何、考えてるの?」
中也「色々だ」
貴方「……何も聞こえない」
中也「俺の生きてる音は聞こえるだろ」
貴方「生きてる音……」
何も考えずに耳を澄ますとドクンドクンと確りと脈打つ音がした。その時気のせいとも思える位小さく目を見ろ、と聞こえた気がして彼の目を見た。
すると彼はふっと笑った。
中也「聞こえてんじゃねェか」
この時初めて彼を綺麗だと思った。
ずっと居続ける呼吸を忘れる様な不思議な感覚。
これを恋だとこの頃の私は知らなかった。
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紅野(プロフ) - お白湯さん» コメントありがとうございます。やっぱり同じになる人多いですよね。いつも名字つけようか迷ってつけるのですが読む人にとったらどうなんでしょうか……。 (2019年1月13日 22時) (レス) id: b65496d137 (このIDを非表示/違反報告)
お白湯 - 夢主ちゃんの名字が、私の本名の名字と読み方違うだけでびっくりしました(笑) (2019年1月13日 1時) (レス) id: fa6e0c5cd0 (このIDを非表示/違反報告)
紅野(プロフ) - 聖宮さん» ありがとうございます!頑張って書こうと思います! (2018年10月1日 23時) (レス) id: b65496d137 (このIDを非表示/違反報告)
聖宮(プロフ) - 寧ろ書いて欲しいです、続編楽しみに待ってます! (2018年10月1日 20時) (レス) id: 956436ae5b (このIDを非表示/違反報告)
紅野(プロフ) - 月詞さん» ありがとうございます!いつもゆっくり更新ですが頑張りますね! (2018年9月28日 19時) (レス) id: b65496d137 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紅野 | 作成日時:2018年4月15日 0時