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三十五言目 ページ39

貴方「なんか、ごめんね」

中也「いいって」

貴方「でも酷過ぎるよね」

中也「そういうのもういいって。変わりに…」

首を傾げると彼は私の手を引いてソファーに倒れ込んだ。
自然と私が彼の上にいるようになってそうした意図も読めないまま暫く彼の青い瞳を見続けた。

貴方「な、何……?」

中也「普段どんな事してんだよ。仕事で」

貴方「どんなって」

中也「知りもしない男にどうやって相手してンのか知りてェなァ」

口角を上げニヤッと笑う顔。
狡い。そんな所がまたかっこいいのわかっててやってる。絶対に。

貴方「でも相手が中也だと訳が違う」

中也「どういう事だよ」

貴方「今こうしてるだけでも凄い緊張するの。無理だよ、これ以上なんて」

中也「俺もそうだって。これが普通の其処らの女にされてンだったら色々悩むけどよ、Aだって思うと何されてもいいって思う反面、どうしたらいいか分かんねェし久々過ぎて今物凄い緊張してる」

貴方「嘘……」

中也「嘘じゃねェよ」

彼は私の右手を取ると自分の胸に当てた。
私と同じくらいに早い鼓動が掌から伝わってくる。
え、待って、今中也の身体に触れてる。服だけを挟んで彼に触ってる。どうしよう……。

中也「何そんな赤くなってンだよ」

貴方「だって、中也にまともに触った事なかったから……恥ずかしくて」

そう言えば中也はまた少し口角を上げ私の右手を握ったまま自らの服の中に手を入れた。

貴方「え、ちょっ、中也」

私の戸惑いを他所に彼の手のせいで私の右手は中也の肌にぴったりと触れていた。
しかもそのせいで捲れた服の裾からしっかりと筋肉のついた身体が見える。心臓に悪い……。

中也「どうだよ。ちゃんと触ってみて」

貴方「……まず目線に困る」

中也「それでホントに色仕事できてンのか?」

貴方「だからっ、違うじゃん。仕事の時はもうやる事決まってるし、好きじゃない男の身体とか興味ないし、こんなにはっきり見ないしっ!」

中也「ったく可愛いな」

貴方「へっ、今、何て」

嘘、可愛いって…。

中也「うるせっ。今日はもう仕事来ねェンだろ?」

貴方「今の所は」

手を離して起き上がってきて私の顎に手を添えた。
凄いドキドキする…。

中也「なら抱かせろ」

貴方「はっ!何言ってんのっ!」

中也「良いって言えばもっと言ってやるよ。まだ言ってねェ様なコト。良いよなァ?」

ニヤッと笑う彼の問いに素直に頷いちゃう辺り、やっぱりかなり中也に惚れ込んでるかも…。

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設定タグ:文スト , 中原中也 , 紅野   
作品ジャンル:恋愛
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紅野(プロフ) - お白湯さん» コメントありがとうございます。やっぱり同じになる人多いですよね。いつも名字つけようか迷ってつけるのですが読む人にとったらどうなんでしょうか……。 (2019年1月13日 22時) (レス) id: b65496d137 (このIDを非表示/違反報告)
お白湯 - 夢主ちゃんの名字が、私の本名の名字と読み方違うだけでびっくりしました(笑) (2019年1月13日 1時) (レス) id: fa6e0c5cd0 (このIDを非表示/違反報告)
紅野(プロフ) - 聖宮さん» ありがとうございます!頑張って書こうと思います! (2018年10月1日 23時) (レス) id: b65496d137 (このIDを非表示/違反報告)
聖宮(プロフ) - 寧ろ書いて欲しいです、続編楽しみに待ってます! (2018年10月1日 20時) (レス) id: 956436ae5b (このIDを非表示/違反報告)
紅野(プロフ) - 月詞さん» ありがとうございます!いつもゆっくり更新ですが頑張りますね! (2018年9月28日 19時) (レス) id: b65496d137 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紅野 | 作成日時:2018年4月15日 0時

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