episode 29 ページ29
ｰ大貴sideｰ
手術中のランプが着いている部屋の前でベンチに腰掛け俯いていた。
雄也「大貴様！」
大貴「雄也！どうしよっ涼介、涼介が…っ」
雄也「落ち着いて下さい大貴様！今慌てても意味はありません」
大貴「っごめん」
雄也「いいえ、大貴様はお怪我ありませんか？」
大貴「大丈夫…」
雄也「それなら良かったです」
それから何分なのか、何時間なのか、やっと手術中のランプが消えた。
先生が出て来て、何とか無事に終えたと言ってくれた。でも…
先生「いつ目を覚ますかは、分かりません」
大貴「そんな…！」
雄也「大貴様…！」
ペタンと床に座ってしまう。
周りの声が聞こえなくなるくらい自分の世界に篭ってしまっていた。
その日は結局遅いからと雄也と屋敷に帰り、翌朝早くから起きて病院に向かう。
大貴「涼介、お願い起きて。俺を1人にしないで…？もぅ、大事な人…失いたく、ないよ…っ」
俺達のお母さんは、不運な事故で命を落とした。
俺は6歳、侑李は4歳だった。
俺の誕生日の前日、俺の為に誕生日プレゼントを選ぶ為にと、とても嬉しそうに出かけて行ったそうだ。
帰り道、よそ見運転していた車に撥ねられたって聞いた。
お葬式の時、お父さんは真剣な眼差しでお母さんの遺影を眺め、侑李は俺と手を繋いでわんわん泣いてた。
その時思ったんだ。
お父さんみたいに強くカッコイイ男になって小さな侑李を守れるような人になるって。
だから俺は泣かなかった。
けど、本当はとてもとても悲しかった。
1人になった途端、静かに部屋で泣いた。
そうしたら、お父さんが背中を優しく撫でて「よく我慢したな、凄いぞ」って言ってくれてまた泣いた。
お父さんには敵わないって思ったけど、でも負けないくらい強くなるって決心が着いた。
もう誰も失わないように、俺が強くなろうと思ってたのに、また大切な人を失うかもしれない恐怖に押し潰されそうだった。
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みぞれ(プロフ) - しょぼんさん» 本当ですか？ありがとうございます(；A；) (2020年8月29日 17時) (
レス) id: 7558808ebf (このIDを非表示/違反報告)
しょぼん(プロフ) - 第3章も大人版も読みたいなと思っていたので、嬉しいです(*^^*)これからも更新頑張ってくださいね！！ (2020年8月29日 13時) (レス) id: 77da2a7fd8 (このIDを非表示/違反報告)
みぞれ(プロフ) - ライカさん» ありがとうございます！本当ですか？嬉しいです！ (2020年8月29日 11時) (レス) id: 7558808ebf (このIDを非表示/違反報告)
ライカ - いつも楽しく読んでおります。お話の件ですが、続けて頂きたいです！これからも、応援しています！ (2020年8月29日 9時) (レス) id: 8fd08431c8 (このIDを非表示/違反報告)
みぞれ(プロフ) - らん。さん» そう言って貰えると凄く嬉しいです！ありがとうございます！^^* (2020年8月29日 0時) (レス) id: 7558808ebf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みぞれ | 作成日時：2020年7月25日 9時
