オレンジの傘

13年後 ページ40

ｰin sideｰ








慧「大ちゃん〜！そろそろ時間だよ〜？」





大貴「はーい！」









パタパタと階段を降りて来る足音がして制服を綺麗に着た大ちゃんが来た。




大ちゃんと初めて会った日から13年の月日が経っていた。



あっという間だったような、長かったような、そんな感じ。









慧「はい、お弁当」





大貴「ありがとう！いつも本当に助かる！」




慧「いえいえ」









身長は小さいけど、心は大きくて暖かく育ってくれた大ちゃん。







そんな大ちゃんは、1度荷物を置いてリビングの隣の部屋へ。




チラッと見に行くと、ご両親の写真が飾ってる仏壇の前で手を合わせていた。









大ちゃんは昔から毎朝ここで手を合わせていた。



そしてご両親の写真の隣にももう1つ写真立てが。









大貴「おばさん、俺こんなに大きくなったよ。あの時は怖い人だと思ってたけど、俺の事を想って厳しくしてくれてたんだよね。ありがとう」





慧「大ちゃん…」





大貴「よし！慧ちゃん！そろそろ行ってくるね！」





慧「うん、行ってらっしゃい！」









大貴「おはよう侑李！」




侑李「おはよう大貴」









あれからも知念くんとは仲良くしてるみたいで、今のところずーっと一緒。




幼なじみだなぁ。


俺と光と薮みたいな感じか。












俺は俺で普通の会社に就職して、サラリーマンだ。




薮と光もそれぞれ違う仕事に就いたけど今でも変わらず連絡取ったり家に行き来してる。



大ちゃんが呑めるようになったら4人で呑みたいなんて話もしてるし。
















あの時、たまたま出会った大ちゃん。



俺の普通が変わって行って、大ちゃんが居る生活が普通になった。



何も分からない俺だったけど、沢山の人に助けられて、ここまで来れたと思う。







俺は大ちゃんに何をあげられたか、何をやれたか分からないけど。





ただ1つ言えるのは、大ちゃんがこれからも幸せだと思う道を進んでくれることだけだ。









Fin.

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