オレンジの傘

＊ ページ32

ｰin sideｰ







大貴「けぇちゃん！おてがみ！」





慧「はい、ありがとう〜」









帰宅後、幼稚園でもらった手紙は、ちゃんと直ぐに自分で出してくれる大ちゃん。




本当に良い子過ぎて俺がドヤ顔したい気分だよ。









慧「ん？保育参観？」









手紙の上の方に大きく［保育参観について］と書かれていた。




本来ならおばさんが行くべきだけど、行けない。


となると俺になる？





幸い休日だから良かったけど。









慧「大ちゃん」





大貴「ん？」





慧「大ちゃんは参観、来て欲しい？」





大貴「うん！いっぱいあそぶんだよぉ？」





慧「そっか……。うん、分かった！」





大貴「きてくれる？」





慧「もちろん！」





大貴「やったぁ！」









せっかくの休みの日にあるんだから、大ちゃんの為にも行かないとね！





でもこの時、行かない方を選んでいれば大ちゃんは悲しまなくて済んだのかな。
























やって来た保育参観の日。



雄也はこういう時に限って仕事で行けないらしくて、大ちゃんもちょっとションボリ。




でも幼稚園に着いたら着いたでいつも通り楽しそうにしてるから良いかな、なんて。









涼介「おはようございます伊野尾さん」





慧「あ、おはようございます！」





涼介「大貴くんのクラスお教えしますね？」





慧「助かります！」









教えられたクラスに入ると、当たり前にお母さんやお父さんばかりで。



今更緊張して来ちゃったし。








でも、後ろ向いて俺に可愛い笑顔で小さく手を振ってきた大ちゃんが見れたから緊張なんか吹っ飛んだよ。







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