オレンジの傘

＊ ページ30

ｰin sideｰ







慧「ねぇ、大ちゃん」





大貴「ん？」





慧「大ちゃんは、おばさんと俺。どっちと暮らしたい？」





大貴「けぇちゃんと…おばさん？」




慧「そう。どっちとこれからも一緒に居たいかな〜？って」





大貴「んぅ…」









うーん、うーん、と悩み出した大ちゃん。




まだこんな小さい子にこんな質問するのも心が痛むけど、大切な事だから。








大貴「りょーほーじゃだめなの？」




慧「両方？」





大貴「うん、おばさんとけぇちゃんと大ちゃん！」




慧「3人でか…」





大貴「大ちゃん、ママとパパだいすき！おばさんとけぇちゃんもおんなじくらいだいすき！」





慧「大ちゃん…」









出会って間もない俺のこと、お父さんやお母さんと同じくらい好きって言ってくれるなんて。




俺を泣かせる気じゃん…。









大貴「けぇちゃ…？いたい？」





慧「ううんっ…嬉しくてね…っ？」





大貴「よしよししてあげる！涼介せんせぇがね？おしえてくれたの！」





慧「そっか…ほんっと、優しいねっ？大ちゃん…っ」





大貴「大ちゃんやさし？えへへぇ」









この子にはもっと幸せになって欲しい。




この子が欲しい物、叶えられるだけ叶えてあげたい。




楽しい生活を送れるように。



あの時、楽しかったって、充実してたって言ってもらえるように。







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