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私はひどく急いていた。なぜ急いていたのかはわからない。ただ、私が覚醒した、というか私が「気づいた」時には見知らぬ温かい豪華な廊下を書類を手に走っていて、ここはどこかわからないこともありパニックになっていて立ち止まろうにもうまくそれができなかったのだ。
立ち止まったのは大きな鏡の前だった。
「私」は金の髪に赤い髪飾りをしている。目はモンゴロイドらしく黒。顔立ちはスラブ系とアジア系をうまく混ぜた感じ。肌は日本海側であろうか。黄色い。一般的には物珍しい容姿に入るのだろう。服は少しばかり時代がかった胸にポケットと大きなボタンがついたピンク色のコート。それを脱ぐと白いシャツと藍色のスカートをはいていて、なぜか体が覚えていた習慣なのかそのコートを再度着た。
自分がなぜこのような行動をとるのかはわからないが恐らくこの、「私」が前に必要性があり、そうしていたのだろうからそうしておこうというのが私の見解だ。
歩きながらその廊下を観察する。赤いフカフカの絨毯。誰かはわからないが肖像画がかかっている。学校の音楽室みたいだ、と思う。私がその発想をしたということは私は音楽室というものを知っていて、なおかつ学校の様子も知っているのだから恐らく私は学生を経験したことがあるのだろう。ということは私は大人なのだろうか。見た目からは約十七、十八くらいだと連想できる。しかしアジアンは童顔。ならば社会人ということもありうるのかもしれない。
というか、なぜこの場所でこのような、ラフな服を着てここにいるのだろうか。
そう、私には一切の記憶がない!
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作者名:何處 | 作成日時:2016年6月26日 21時