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一週間というのはあっという間で、今日がこの荘園で過ごす最後の日になった。
仲間と夕食を食べながら、ゲームのアナウンスを待つ。
「皆でこうして食べるのも最後なの……」
「う、ウッズさん…!」
「離れなさい」
エマさんに顔を近づけるピアソンさんをエミリー先生があしらう。
この奇妙な光景も、見納めなんだなあ。
「皆さんは、ここを出たら何をしたいですか?」
食事中は今まで話すことがなかったヘレナさんが、控えめに尋ねる。
すると、ウィリアムくんが目を輝かせて言った。
「ラグビーの第一人者として、協会に改革を起こす!」
彼を引き金に、皆が望みを口にし始める。
何だか、青春の1ページみたいだ。
「私はパイロットになるわ」
「つ、慎ましく過ごせればそれで……」
よし、ここは僕も一つ語っておこう。
美智子さんの祖国では「言霊」なんてものもあるらしいし。
「僕は、新しく作った台本でレッドカーペットを渡りたい!」
'素敵な物語だったと、ルカさんから聞きましたよ。'
「全く…耳にたこができるほど聞かされた」
ビクターくんが紙を上げると、続けてアンドルーくんも溜め息交じりに呟いた。
「えっそうなのルカくん!? めちゃくちゃ恥ずかしい!」
「……君が想いを込めて一生懸命作ってくれた物語だったから、我慢できなくてね」
「………ひぇっ……」
「Aさんの顔、真っ赤なの!」
「リンゴみたいじゃねーか!」
「乙女、ですね」
「わ、わぁああぁ!」
エマさん、ウィリアムくん、イライくん……少し恨むからね!?
― ― ―
Omake film 〜おまけ〜
※台本書き
傭「これが噂の両片思い、なのか?」
空「寧ろ両思いじゃないの」
※ただし友情である。
墓「る、ルカのやつ…いつも僕に惚気話をしてくるんだ」
心「ふふ、微笑ましいですね!」
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作者名:大二重 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/meernosedona/
作成日時:2021年3月21日 18時