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「ルカくん……」




……そうだ。





何故クヨクヨしているんだ。僕が自信を失ってどうする。





今までだって、抗ってきた。

ただひたすらに立ち向かってきた。







「君は、最低な映画監督じゃない。

君の熱意が……人の心を打ったのだから!」







──僕の映画(情熱)が、誰かの心に届いたのならば。


それを、他でもない僕が否定してどうする。








……オリーの遺作を「駄作」と言うなんて、それこそ最低だ。彼に失礼だ。




こんなの全然クールじゃない。

僕はどうかしていたみたいだ。






僕はもっと、格好良いはずだ。








「っ……ああ、そうだよ!そうだとも!! 僕は、僕は!

反天才映画監督だ!!!」





























「そこ、天才じゃないんだね」


「…流石に……うん。自重しました、はい」





「ふふ……でも、君らしくていいと思うよ」








──ああ、僕は彼に何度 救われてきたことだろう。

君がいなければ、僕はきっと変われなかった。









「……A君。

さっきの映画、もう一度 観よう」



「…?」





「例え誰の目に触れられなくとも、その分 私たちで観て…楽しもう。
それが、君の友人への弔いになると思うんだ」






視界がぶわっと揺らいだ。

またもや泣いてしまった。歳をとって涙腺が緩くなったのかな、なんて冗談を心に唱えてみる。



「……っ!うん…うん!そうだね!」







僕は涙で濡れた頬を拭き、再び映写機にフィルムをセットした。

第四部、完結→←66 ●


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設定タグ:第五人格 , 囚人 , ルカ・バルサー   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:大二重 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/meernosedona/  
作成日時:2021年3月21日 18時

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