Last film 2【第五人格】 (ページ3)

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てなワケで次からは私が被写体になるよ、なんて彼は明るく話を切り終えた。

……ダメだ、このままじゃ僕の気が済まない。

｢ルカくん｣

僕は撮影機をシュバッと構えた。

｢こうなったら…撮っちゃいます!?!?｣

｢凄く急だね!? 大歓迎さ!!｣

＊

そんなこんなで、急きょ彼の仕事ぶりを撮ることになった。

基本は机に向かって回路やら計算式やらを書くらしい。

僕はいつもより大きいフィルムを準備する。

せっかく僕のファンを撮るんだ。特別製じゃなきゃダメだろう？

｢うーん……ファン、か｣

｢ん？｣

｢君は僕のファンだと言ってくれるけれど……それじゃあ僕が満足出来ないよ｣

彼の言う通り、ファン｢個人｣のことなど、スターはきっと気にも留めないのだろう。

彼らが嬉びを感じるのは、｢不特定多数｣のファンがいることに対してだ。

当たり前ではあるけれど、残酷な話。でも実際はそれくらいなのだと思う。

だって、少し前の僕がそうだったから。

あの時は彼のことを知ろうとしていたのではなく、ファンができたことに心酔していた。

……でも今は違う。

君のことを、もっと知りたいんだ。

｢僕だってもう君のファンなんだよ、ルカくん｣

｢A君……｣

｢てかさ、互いにフォロワーなら最早親友だよね？もうそれでどう？｣

｢ははっ！何だいその理論！

でも……A君が私のことを知ってくれたら、すごく嬉しいよ｣

― ― ―

名前呼びも親友になるのも許可制の不器用くんたち。