Last film 2【第五人格】 (ページ17)

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｢これだと辻褄が合わないぞ｣

｢この展開は我ながらサイテーだ！｣

｢うーん、締まりが悪いなあ｣

｢……｣

浮かばない…

｢……｣

浮かばない……

｢だぁーっ!! 浮かばなーいッ!!｣

無我夢中で書き続けてから、どれほど経っただろう。

何とか物語終盤までは辿り着いたものの、エンディングだけが思いつかなかった。

完全に手が止まっているぞ僕……！

｢無理…何も舞い降りてこない……｣

乱雑に書かれた文字と見つめ合う。

早くもスランプに突入したかもしれない。

完成間近まではスムーズに物語を紡げていたのにな……。

うーん……よく考えれば僕自身が(・・・・)エンドロールを迎えていないのだから、手が止まるのも無理はないか。

｢この物語の最高のエンディングは何だ？｣

僕は、どうしたい？

フィルムの向こう側はどこまでも自由だ。

何が起こっても、どんな結末でも。

全ては僕の思うがままなのだから。

──それなのに、頭の中にはこれといったアイデアが浮かばなかった。

頭の奥にモヤモヤが詰まった感覚。

こういう時は何をしてもダメだ。

｢一服でもするか……｣

冷えきった紅茶を飲み干して、僕は部屋を後にした。