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「お、おいっ!ルカ、A!そろそろゲームが始まるぞ」
感傷にふけっていると、アンドルーくんが僕たちを呼びに来た。
「ああ、悪いね。忘れていたよ」
「忘れるなよ……」
「え、僕も?知らなかった」
「日程くらい見ておけよ……って」
「…それ、新衣装か」
「気づいてくれた?」
似合ってる、と小声で褒めてくれた彼を可愛いと思ってしまった。
口にしたら絶対に怒るから黙っておくけれど。
その時、ふとアンドルーくんの胸元が目についた。
「ギャッ!!!」
あまりのおぞましさにマントを翻して顔を隠す。
十字架……十字架だ。
いけない……これは彼の心の拠り所なのだから、それを否定するような行動をしては。
分かっているのに、体は言うことを聞いてくれない。
「何してるんだ……?」
アンドルーくんの冷ややかな視線が刺さる。いや、正確には顔を隠していて見ていないけれどそんな気がする。
頭上でルカくんの笑い声が聞こえた。
笑っていないで助けてくれ!
「ふふっ、ははは!
A君は衣装の都合で十字架が苦手になってしまったんだ。悪く思わないであげてくれ」
「ああ……」
アンドルーくんは僕に気遣って十字架をコートの内側にしまってくれた。
大変な体質になったものだなあ。
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作者名:大二重 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/meernosedona/
作成日時:2021年3月21日 18時