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「でも、被写体なんて落ち着けないと思うけれど……。
僕めちゃくちゃ動くし。とにかく気が散るよ?」
発明の邪魔になったりしないかが心配だ。
その意味も込めて尋ねると、彼はとんでもない言葉を口走った。
「構わないさ。君と同じ時間を過ごせるのなら」
「お、おぉ……!?」
口にするのも恥ずかしい台詞。
だが、彼の言葉は本物だ。
その目が嘘ではないことを証明している。
何だい、それ。
そんなのズルいじゃないか。
……でも。
「でも何故……何故 僕なんだい?
ルカくんが僕を理解してくれているほど、僕は君のことを知らない。
君のことをもっと分かってくれる人は他にいるかもしれないのに、どうして?」
「……ああ勿論、嫌だから聞いているんじゃなくて、嬉しいのと同時に少し申し訳なくなったから質問してしまったんだ」
俯いた顔を上げてみると、彼はキョトンとしていた。
「ファンなんて……そんなものじゃないか」
「ファンのことをあれこれと知っているスターなんていないだろう?」
「そう言われても……」
納得いかない僕の顔を見て、ルカくんは優しく笑った。
「私の我儘だよ」
そこまで言われてしまうと言葉が出てこない。何だか言いくるめられてしまった心地だった。
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作者名:大二重 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/meernosedona/
作成日時:2021年3月21日 18時