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石川「A、」

A「ん〜?」

教室に入り、自分の席に行こうとすると祐希が私のことを呼んだ。

くるっと体の向きを変える。

石川「卒業式のあと時間ある?」

A「部活のなんかあったけど…大丈夫、あるよ」

石川「じゃあさ、少しだけ待っててくれる?」

A「うん、いいよ」

そういえば祐希は自分の席に行った。

A「……」

なんとなく分かってる。





祐希がやろうとしていること、言おうとしていること。





A(そろそろ、覚悟しないといけないのかな)

そう呟けば窓側の席で晴れている空をみる。

雲ひとつない青空だった。


















*
A「わーお、すごいね」

沙耶「ね、」

「やばいわ」

卒業式後、クラスでの最後のHRも終わった。

私と沙耶たちがみていたのは中庭の光景。

そこには女子の行列。

その行列の先にはみたことある後ろ姿。



祐希だ。



A「あれ、うちの学校ってアイドルいたっけ」

「いないはずだけど?」

「だよね?」

沙耶「あの行列、あと20分ぐらいかかりそうだよ」

「わーお、すごいね〜」

それにちゃんと対応する祐希もすごいなんて思ってる自分がいる。

沙耶「A、ほんとに待つの?」

A「待つよ、本人になにも言わないでどっか行くなんてしないし」

「飲み物買いに行こ〜」

「ついでに学校の中探検しよ〜」

沙耶「なにそのナイスアイディア」

ということになり沙耶たちは飲み物を買いに行くついでに探検しに行った。

部活での集まりはもう少し時間がかかるらしい。

A「人気になったね、祐希…」

春高で2年連続3冠達成して祐希はさらに人気になった。

学校にテレビ取材がくることも多くなった。

『日本史上最高の逸材』なんて言われていることも知っている。





本人は嫌がっていたけど。



A「あ、行列なくなってきた」

ベランダから中庭の様子をみていたらいつの間にか祐希の写真の行列が解消されていた。

最後の人が終わると近くでみていたバレー部の3年生たちがベランダにいる私に気づいた。

武智「祐希〜」

洸史が祐希のことを呼び私の方を指差す。

すると焦っている祐希の姿がすぐにわかった。

石川「Aごめん!今行く!」

A「急がなくていいよ〜」

慌てて走る祐希に笑いながら待つことにした。

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Lal(プロフ) - ハナさん» ありがとうございます!温かく見守っていただけるとありがたいです! (2020年1月29日 9時) (レス) id: 07929e390c (このIDを非表示/違反報告)
ハナ - 続きが気になります! (2020年1月29日 8時) (レス) id: 746f6f9a9f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Lal | 作成日時:2020年1月28日 22時

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