future and harmony～らくだい魔女～ (ページ5)

今日:8 hit、昨日:5 hit、合計:5,870 hit

☆キラの夢ページ5

フウカside

何あれ何あれっ！

あたしは、むしゃくしゃしながらホウキを走らせる。

『お前が女王になるのは大変だからな。』

今思い出しただけで腹立つ～っ！

カリンは、隣で「まぁまぁ」と言う。

けど、落ち着いてられるかぁぁぁ！！！

あたしだって、女王になるために頑張ろうって思っているし！(多分)

将来のこと、考えているもんね！(一応)

でも、あたしは………。

ママみたいに、立派な女王になれるのかな…？

あたしは、ママと違ってらくだい魔女だ。

だから少し、ううん、ものすごく不安なの。

あたしの、未来。

あたしがうつむいた時。

ドカーーーーンッ

ものすごい衝撃が、あたしを襲った。

「ぬわぁっ」

「ご、ゴメンなさいっ！………って、フウカ？」

「え＿＿＿＿」

あたしは、驚いて顔をあげた。

黄色い髪を揺らす少女。

編み込まれてある三つ編みが、風に揺れた。

「キラ……」

「ゴメン！痛かった！？」

キラは、心配そうに顔をのぞかせる。

「だ、大丈夫……。」

あたしは、「あはは」と笑った。

どうやら、キラがホウキごと衝突したらしい。

そういえば、キラはホウキが苦手だったなぁ～。

…………あ、そうだ。

あたしは、オロオロしてるキラに、ふと聞いてみた。

「キラって、将来の夢って何？」

「将来の夢…？」

キラは、首をかしげた。

「あたしは、特になにも。」

「そうなの？」

「＿＿でも」

キラは、話し「みんなで、幸せに、平和に暮らしたいなぁ。

　なりたい職業は、特にないけど、みんなを幸せにしてあげれるような仕事に。

　あたしは、みんなと魔法界の幸せを願いたい」

そう言ったキラのひとみは、まっすぐに光っていた。

すごい。

「素敵な夢ねぇ～っ！」

カリンが拍手したら、キラが頬を赤く染めた。

……すごいな、本当に。

みんなを幸せにしたい、か。

「あ、そろそろ行くね！じゃあまた！」

キラがホウキで、遠くに飛んでいく。

カリンも、緑の城の方に帰っていった。

あたしは、ずっと考えていた。

「人の幸せと、平和……」

見習わなきゃ。

あたしは、ぐっと拳を握り締めて、銀の城へ帰っていった＿＿。