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ベリーが36つ ページ38

コンコン




沖「沖矢です」



ガチャ



沖「行きましょうか」


「えぇ」









沖「桜さんはどのカクテルを飲みますか?」


「沖矢さんのオススメを頂けるかしら」


沖「わかりました」









「これはウォッカ・アップルジュースね」



沖「えぇ、貴方はとても優しい人だと思ったので」



「では、貴方にブロンクスを」


沖「ブロンクスですか貴方は本当に厳しいですね」



「あら?そうかしら」


沖「えぇ、貴方は自分にとても厳しい人だ」


「そんなことないわ」




沖「貴方は人に頼ると言うことを知らない人だ
君はいろんなものを抱えすぎている
そんな君を坊やも俺も心配しているんだ」



「大丈夫よ、今までもそうしてきたもの」


沖「君は誰かに頼った方がいい
このままでは君が壊れてしまう」




「ふふ、頼る?誰に頼れって言うの?
私が大切に思う人はみんな死んでいったわ
私が無力で弱いからよ
誰かに頼ってもその人が傷つくくらいなら
私は壊れたっていいの」





沖「君は一人じゃないんだ、
君が傷つくことで誰かが悲しんでしまう」


「悲しむ人なんていないわよ」



沖「本当にそうか?」


「え?」



沖「君が今、守ろうとしている彼は君のことを
好いているようだ、愛する人が傷つくのは
誰でも悲しい、彼の気持ちも考えてやってくれ」





「彼は馬鹿よ、私は組織の人間なのよ?
そして彼は警察、最初からしてはいけない恋なの」



沖「恋の前には組織も警察も関係ない
そこにあるのは彼の心と君の心だけだ
彼を好きになれとは言わない
ただ君を想う彼の気持ちも考えて少しは頼ってくれ
彼でも、俺でもいい
君が傷つくことで悲しむ人がいることを
覚えていて欲しいんだ」





「私の周りはみんなお人好しね」



沖「それほどでもないさ」






「ありがとう、声をかけてくれて」




沖「俺も君が大切だっただけさ」



「!っ、本当に、お人好し、ね」




沖「泣きたい時は泣けばいい、いつでも頼ってくれ
誰にも見られないように腕の中くらい貸してやる」



久しぶりに泣いたわね
人の腕の中で泣くなんて初めてで戸惑った
でも、それ以上に心が温かくなった






少しして離れた


「グランド・スラムを飲みたいの」



沖「ふっ、誰にも言わないさ」




「あと、ラモス・ジン・フィズもお願い」




沖「これからも、頼ってくれていい」





「じゃあ、また明日」



沖「おやすみ」


「おやすみ」









彼女に似合うのはクイーン・エリザベスもだな

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作者名:Laila | 作成日時:2019年8月8日 4時

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