57 ページ9
tn「Aさん、どういうことか説明してくれますか？」
紅い瞳がこちらを捉える
私はどこからどこまで説明するべきか悩みながら口を開いた
『今日の依頼主のもとにひとらんらんがいた。
依頼の報酬としてこいつを要求したところ、二つ返事で了承したのでつれて帰ってきた。』
os「この状態は何ですか？」
『依頼主曰く”反抗的だったので薬を使って精神を壊した”だそうだ。
呼びかけても反応なし、だが命令すれば何でも行う操り人形だよ。』
壁により掛かって少し大きな声で話す
おそらく部屋の中で聞き耳を立てているであろう奴らにも聞こえやすいように
コネシマが詰め寄ってきて胸ぐらを掴む
kn「精神を壊したって、どういうことや！！」
『私が知っているとでも思うのか。』
コネシマの感情的な声と比較して私の声はひどく冷たかった
トントンが間に入って私の胸ぐらを掴むコネシマの手も剥がそうとする
『命があるだけましだろう。』
kn「こんなん生きてるって言わんわ！！」
tn「やめろコネシマ！！Aさんは何も悪くないやろ！！」
引き離されたコネシマはトントンの主張に納得してはいるが悔しそうに下唇を噛んだ
握りしめられた手のひらは小刻みに震えていた
kn「そうやけど･･･！」
八つ当たりするしかないのだろう
仲間の精神が壊されて操り人形のようになっているといわれて黙っていられる訳がないのだ
ni「すみません、Aさん。」
『構わない。』
服の皺を伸ばすように胸元を手で払う
ひとらんらんはこの状況でも無反応
その瞳には何も写っていないどころか誰も居ない壁をまっすぐに見ていた
『私の仕事は終わりだ。後はお前達の好きにしろ。』
そう言って部屋に戻った
これからどうなるかは彼等次第
私の任務はあくまでも彼等の仲間を連れてくるだけ
その後のメンタルケアは任務範囲外だ
部屋に戻り依頼主から貰った資料を広げる
依頼内容の詳細は依頼主の敷地に闇商売を行う者がたむろしていて、そのせいで収益が落ちているらしい
だからその商人達を始末してほしいとのことだ
ひとらんらんに気を取られていて聞けなかったことが１つある
私が出るほどの相手であるのか、ということだ
商人ならば私が出なくても対処可能だろう
疑問に思うことは多々あるが、受けてしまった以上こなすしかない
報酬も先に貰ってしまったしな、仕方がない
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 264人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ライ - すごく面白いです！すごく大好きです！主さんのペースでこれからも頑張ってください！ (2022年3月27日 22時) (
レス) @page9 id: 9516bfdddc (このIDを非表示/違反報告)
千菜(プロフ) - 続編おめでとうございます！この作品リメイク前から大好きです！これからも応援しています！！ (2022年3月10日 0時) (レス) @page1 id: 4f425976bb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：らい | 作成日時：2022年3月9日 23時
