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心の中でどこか彼らと私は同じ絶望を見てきたと思った
仲間を、大切な人を失う光景を見てきたから
彼らと私は同じだと思ったんだ
でも違った
彼らにはあって私にはないものがある
それは仲間の存在だ
『…そうか。』
初めて会った時、彼の瞳からは光が奪われていた
しかし目の前にいる彼の目には希望で満ち溢れている
彼らにとって仲間は希望そのもの
その瞳から目をそらすように目を閉じた
『それで、何の用だ。ここには何か用があって来たんだろう。』
tn「あ、その、朝ごはん…は食べてくれないだろうから、紅茶とリンゴを持ってきたんです。」
ティーセットと綺麗に剥かれたリンゴが乗ったお皿を目の前に置かれる
私はティーカップを手に取って1口啜った
tn「どうですか？」
『悪くない。』
tn「そうですか、良かった。」
トントンはほっとしたように顔を綻ばせる
ではこれで失礼します、と言い部屋を出ていった
紅茶の水面に浮かぶ自分の顔は酷い顔をしていた
未だに彼らのことはよく分からない
彼らというより、普通の人間の事が分からないと言うべきか
リンゴを一欠片口に放り込む
分からないことだらけだ
もうそれを誰も教えてはくれない
再び思考することを放棄して虚空を見つめた
しばらくして日が傾き始めた頃、外から聞こえる声に引き寄せられるように立ち上がり窓辺に行く
庭を見下ろすと何か楽しそうに動き回っている彼らの姿が見えた
怪我をしているはずの人たちもそこまで激しくではないが動いている
傷が開いたら大変だろうに
しばらく見ているとこちらに気づいたらしいゾムと目が合った
しばらく見つめあった後、笑って手招きされる
こっちに来いよ、とでも言うように
首を振って断って窓から離れた
残り数枚となった便箋を手に取った
どうせなら何か書いてしまおう
何を書こうか
そんなことを悩んでいると突然コンコン、とノックする音が窓から聞こえた
振り返ると窓の外にはゾムがいた
ここは2階なのに何故そんなところにいるのだろうか
半ば呆れながら窓を開ける
『何の用だ。どうやってそこへ？』
zm「こんなところに登るくらい楽勝やわ！さ、行くぞ！」
グイッと引っ張られてゾムに担がれた
そして浮遊感に襲われた体は為す術なく庭へと連れていかれる
どうやら飛び降りたらしい、そしてなにも問題なく着地した
身体能力が高いことは知っていたがここまでとは思いもよらなかった
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ライ - すごく面白いです！すごく大好きです！主さんのペースでこれからも頑張ってください！ (2022年3月27日 22時) (
レス) @page9 id: 9516bfdddc (このIDを非表示/違反報告)
千菜(プロフ) - 続編おめでとうございます！この作品リメイク前から大好きです！これからも応援しています！！ (2022年3月10日 0時) (レス) @page1 id: 4f425976bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らい | 作成日時：2022年3月9日 23時
