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誰もいなくなった部屋は耳が痛くなるほど静かだった
この静寂が普通だったはずなのに、と普通が普通じゃなくなっていく感覚に違和感を覚える
終わりが見えた旅路に私は何をするべきだろうか
真っ先に浮かんだのは荷物の整理だった
もうすぐ金も館も、全部要らなくなる
長い間過ごした部屋にはそれなりに愛着が湧いていたがどうでもよかった
いらないなら人にあげてしまおう
机の引き出しから便箋を取り出した
書き連ねるのは私の所有物全てを彼等に受け渡す旨の文書
渡す相手など他にいなかった
情報屋には金を残しておくことにする
文字がスラスラと並べられていく
1枚書類を書き終えたあと次の便箋に手を伸ばした
それはこれまでのことを書くためだった
きっと彼らはこのまま私が死んでも何も納得しない
だから全てをここに記しておくことにする
読んだところで納得するとは思わないが
たくさんの人に恨まれて死ねばきっと、私はようやく私を許せる
時々脳裏を過ぎるもしも、が頭を巡っている
もしも私が諦めなかったら
もしもあの時私に強さがあれば
もしも彼らと違う出会い方をしていたら
きっと、私は普通の人間で彼等とも良い友人に慣れたかもしれない、なんて
『…いいや、きっと無理だろう。』
彼等と私が出会ったのはお互いがそういう境遇だったか
そうでなければ出会うはずがなかった
彼らは軍の幹部、私はどう足掻こうと地を這って汚れ仕事をするしかない
思わず呼吸を止めてしまったことに気づいて大きく息を吸った
ペンを置いて次の作戦で使うであろう道具を整備するために机の上に広げた
以前ゾムとショッピ、コネシマに貸した武器はいつの間にか返されていた
それもきれいな状態に整備されて
だからほとんどやることは無い
椅子から立ち上がってベッドに倒れ込んだ
柔らかい布団が体を包む
思考はまだ動いていたはずなのに瞳は閉じていった
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ライ - すごく面白いです！すごく大好きです！主さんのペースでこれからも頑張ってください！ (2022年3月27日 22時) (
レス) @page9 id: 9516bfdddc (このIDを非表示/違反報告)
千菜(プロフ) - 続編おめでとうございます！この作品リメイク前から大好きです！これからも応援しています！！ (2022年3月10日 0時) (レス) @page1 id: 4f425976bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らい | 作成日時：2022年3月9日 23時
