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明るくなってきた空を見て時間の経過を知る
小鳥のさえずりを背に部屋に戻る

部屋に戻る前に厨房にって、林檎を1つ切りそれを持って部屋に戻った
椅子に腰かけ林檎を一欠片口に放り込む
久々の固形物に胃が驚いたのか、戻しそうになったのを何とかこらえる

机の上にあった本を手に取り読む

コンコン、と響いたノックの音で集中力が切れる
時計を見ると部屋に戻ってから既に2時間ほど経過していた
入れ、と声をかけるとトントンが入ってくる


『用件は。』

tn「えと、ご飯は食べてくれない、ですよね?」

『あぁ。』

tn「じゃあ紅茶を入れてくるので飲んでくれますか?」

『…紅茶なら。』

tn「!すぐに持ってきますね!」


そう言って部屋を出ていくトントン
パタパタと走る足音が遠のいていく

数分後、勢いよくと部屋の扉が開く
本に落としていた視線を扉に向けるとそこに居たのはシャオロンだった
手にはティーカップの乗ったトレイを持っている

なぜこいつが、大方トントンに何か言われたからだろうが

トレイを私の目の前の机に置いた

すぐに出ていくかと思いきや、その場から動かず私を見下ろすようにこちらをじっと見てくる
しかし口を開かなかったため、本に視線を落とし読み進める


sha「幾らアイツらがお前のこと信じようと、俺は信じんからな。」


しばらくして降ってきた言葉は宣言にしては弱々しい声だった

本から視線を上げてシャオロンと目を合わせる
目が合ったことで一瞬彼の瞳が揺れた


『私がいつ、信じて欲しいなど言った。』


大きくため息をついて問いかける
まるで私が信じて欲しいと言ったような口振り
勘違いも甚だしい


『私を信じる必要などない。
お前達が私に対してどう思おうが、何をしようが、私の知ったことではない。』


目を合わせたままキッパリと言い切り、本に視線を移す
視界の端に見えるシャオロンは微動だにしない
彼が求める答えなど知りもしないので無視して本を読み進める


sha「…怖く、ないんか?」


まるで絹糸のように繊細な声が聞こえた
顔を上げると先程とは違ったまるで何かを心配するような表情を浮かべるシャオロンがいた


sha「誰にも信じてもらえんって怖くないん?
一人で生きていくのって怖くないんか?
…俺にはそんなの耐えられん。」


掌を力強く握って振り絞るように声を出す
私は読んでいた本に栞を挟み、机の上に置いた

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ライ - すごく面白いです!すごく大好きです!主さんのペースでこれからも頑張ってください! (2022年3月27日 22時) (レス) @page9 id: 9516bfdddc (このIDを非表示/違反報告)
千菜(プロフ) - 続編おめでとうございます!この作品リメイク前から大好きです!これからも応援しています!! (2022年3月10日 0時) (レス) @page1 id: 4f425976bb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:らい | 作成日時:2022年3月9日 23時

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