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横になったはいいが、散々寝ていたせいで眠気は一切ない
立ち上がって素足で歩き、部屋の本棚からまだ読んでいない本を数冊手に取りベッドに戻る
床から伝わる温度でまだ自分の体熱いということを知る
コンコン、と部屋のドアがノックされる
ゆっくりとドアが開いて入ってきたのはエーミールだった
em「体調は如何ですか？」
『良いとは言えないな。』
em「そうですか。」
ベッドの横に置いてある椅子に腰かけ笑顔を浮かべるエーミール
その意図がよく分からず無視して本を読み進める
em「本が読める程度には回復してるみたいですね。よかった。
ところでその本、面白いですか？」
『さあな。それよりお前は何しに来たんだ。』
em「何しに、ですか…強いて言えばお話をしに、ですかね。
Aさんと出来る限り話しておかないと後悔しそうなので。」
手元に目を落として薄らと笑顔をうかべるエーミール
一体何を後悔するのか全く分からないままだが気にせずに本を読み進める
エーミールは他愛のない話をし始めた
あの本が面白かった、あの本のここが分からない
そんな他愛のない話を
それに対して軽く返せば嬉しそうにする
ここに来た時とはまるで違う彼の姿は別人に見えた
最初は私どころかこの部屋に近づくこともしなかったのに
em「あ、そうや。」
エーミールは思い出したかのように言葉を発したかと思えば、姿勢を正して深く頭を下げた
em「Aさん、私達を助けて頂き本当にありがとうございました。」
『急になんだ。第一私はお前達を助けてなどいない。』
em「ふふ、貴方は本当にアーノアさんの言った通りの方なのですね。」
口元を隠しながら上品に笑う
情報屋が何を言ったのかなんて検討もつかないし正直どうだっていい
私にどのような印象を抱こうが、私には関係の無いこと
em「そろそろ失礼しますね。」
『待て、エーミール。聞きたいことがある。私が倒れた時ここまで運んだのは誰だ？』
em「鬱先生ですよ、彼も心配してたので顔見せてあげてくださいね。」
そう言って出ていったエーミール
あの鬱先生が私を運んだこと自体、本当かどうか怪しいのに心配してたなんて信じれるはずがない
真偽は怪しいがその程度のことで嘘をつくとも思えない
あの鬱が私を心配する理由はないだろうに
本を閉じてサイドテーブルに置き、思考を吐き出すように小さくため息をついた
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ライ - すごく面白いです！すごく大好きです！主さんのペースでこれからも頑張ってください！ (2022年3月27日 22時) (
レス) @page9 id: 9516bfdddc (このIDを非表示/違反報告)
千菜(プロフ) - 続編おめでとうございます！この作品リメイク前から大好きです！これからも応援しています！！ (2022年3月10日 0時) (レス) @page1 id: 4f425976bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らい | 作成日時：2022年3月9日 23時
