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再び意識が浮上したのは翌日だった
まだ朝日は昇っておらず、空は紫のような青のような色に染っていた
額に置かれたタオルを手に取り体を起こすと見慣れた浅葱色の頭が見えた
祈るように両手を握り頭を垂れているそれは間違いなく情報屋だった
ひとつ、浅くため息を吐いて声をかける
『なんでここにいる、情報屋。』
a「始末人さん、気分はどう？」
ゆっくりと頭を上げてこちらを見つめる瞳が一瞬揺れた
へらっと笑ったその瞳の下には薄らと影が浮かんでいた
握ったタオルが水分を十分含んでいることからして情報屋が夜通し看病をしたのだろう
これはひとつ貸しだな
『悪くは無い。それで、何故ここにいる。』
a「情報が入ったんだ、一昨日の始末人さんの依頼主の企んでいることの。
でも全部、遅かったみたいだね。ごめんね。」
『お前が謝る必要は無いだろう。とりあえず、最初から最後まで一通り説明しろ。』
a「説明も何も始末人さんは全部分かってるでしょ？
あの女の目的は始末人の抹殺。薬で動けなくなっているところをサクッとやっちゃおうっていう算段だった。
まあ、始末人さんの薬の効きが遅かったことと彼等が想像以上に手練だったことが誤算だったらしいけどね。」
情報屋は持参したであろう資料に目を落としながら言う
サイドテーブルの上に置いてあったコップに入った水を飲んでそれを聞く
ふと違和感に気がつく
『"彼等が想像以上に手練だった"？』
a「気づいた？そこが大事なんだよね。」
『まさか奴はここに彼等がいることを知っていたと？』
a「正解、むしろ本当の目的は彼等だったりする。」
情報屋は立ち上がり私の机の上の資料を手に取り戻ってくる
それを私に手渡してとある箇所に指をさす
a「グロル国、あの女のバックについてるのはこの国の王だ。」
『国が動いてるとはな…。目的は？』
a「……多分、元我々国幹部を全員集めて、殺すこと。
それもグルッペン･フューラーの目の前でね。この王様、かなり我々国を恨んでるらしい。」
未だに熱い額に手を当ててため息を吐く
彼等は一体何をやったんだ、そこまで恨まれてるのは何故だ
グロル国はそこそこ大きい国だ
それを相手にするのはなかなか厳しいものがある
a「とりあえず今は休んで、俺が色々情報操作しておくから心配しないで。
あとしばらくここで寝泊まりしていいかな？」
『勝手にしろ…。』
適当に返事をして布団に潜る
情報屋はありがとう！と言って部屋を出ていった
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ライ - すごく面白いです！すごく大好きです！主さんのペースでこれからも頑張ってください！ (2022年3月27日 22時) (
レス) @page9 id: 9516bfdddc (このIDを非表示/違反報告)
千菜(プロフ) - 続編おめでとうございます！この作品リメイク前から大好きです！これからも応援しています！！ (2022年3月10日 0時) (レス) @page1 id: 4f425976bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らい | 作成日時：2022年3月9日 23時
