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腹が右下から左下に切り傷ができていた
それなりに深いらしく血は溢れるように出てくる
しかし私の表情は何ひとつとして変わらなかった
「動じないのか。」
『感情は機能してない。』
「相当深く切ったのによく立っていられるな。」
『痛覚も機能していない。』
そう言えば男は豆鉄砲をくらった鳩のような顔をした後、声を出して笑い始める
切り裂かれた服を引っ張って破り、一応傷の部分に巻いて結ぶ
「面白い奴だな！久々だ、お前のような奴！
冥土の土産に名前くらいは教えてやろう！
俺はグロル国1番隊隊長、ノル。折角だ、お前の名前も覚えておこう。」
『そうだな、言っておいてやろう。私はA、始末人のAだ。』
ナイフを改めて構える
痛みは相変わらずないが血を流しすぎているのかフラフラしてきた
長期戦には出来ない
一瞬で終わらせなければ
しかしノルは改めて剣を向けてくることは無かった
nr「……A？いや、まさか……。」
私の名前を聞いた瞬間に動きを完全に止めた
その理由を知るわけが無いし知る必要も恐らくない
大事なのは今目の前で敵が動きを止めたということ
タイミングを見計らって馬車の方向に走り出す
nr「ｯ待て！！！」
制止する声を無視して走る
途中までは追いかけてくる気配があったが途中で消えた
どれくらい走ったか分からないが気がついたら目前に馬車が見えた
sn「！Aさん！！」
すぐに馬車に飛び乗って馬に鞭を打つ
ノルが追ってこないうちにここを離れる方がいいだろう
zm「A、血が！！」
sn「ゾム、代われるか？」
zm「おん！」
『必要ない。』
痛みもないし動けるから問題はどこにもない
傷は圧迫してるからそのうち血は止まる
しんぺい神は何かを色々言ってきたが何も聞こえない振りをする
sn「〜ｯ！ゾム！！」
zm「任せろ！！」
体を急に浮遊感が襲う
気がついたら私は荷台に放り込まれていた
元いた場所にはゾムが座って馬の手綱を握っている
sn「治療するで、ちなみに拒否権はないからな。
『…勝手にしろ。』
sn「深いな。縫うけど麻酔がないから痛いで？」
『問題ない。』
テキパキと用意をして傷を縫っていく
さすが天才軍医と呼ばれただけある手際だ
縫われていく様子をじっと見ていたら急に体がグンっと重くなり瞼が閉じる
恐らく血を流しすぎたのだろう
館に戻るまでやることにいしまあいいか
そのまま抵抗することもせずに意識を手放した
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ライ - すごく面白いです！すごく大好きです！主さんのペースでこれからも頑張ってください！ (2022年3月27日 22時) (
レス) @page9 id: 9516bfdddc (このIDを非表示/違反報告)
千菜(プロフ) - 続編おめでとうございます！この作品リメイク前から大好きです！これからも応援しています！！ (2022年3月10日 0時) (レス) @page1 id: 4f425976bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らい | 作成日時：2022年3月9日 23時
