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一瞬呼吸をするのも躊躇うような静寂が訪れた
sn「感情がない…？どういうこと？」
『先に質問したのはこちらだ。』
お前達が答えるまで私も答えない、と腕を組んで上から見下ろすような視線を向けた
彼等はお互いの顔をちらちらと見る
口を開いたのはトントンだった
tn「生きてくれたら、それでいいです。」
周りはそれに同意するように頷く
『何故。』
tn「それは…Aさんは俺達にとって命の恩人なんです。恩を返さないまま別れるなんて出来ません。
それにAさんは分からんと思うけど、俺達にとって貴方は大切な人なんです。
だから生きていて欲しい。それだけです。」
深い赤の瞳が真っ直ぐとこちらを見つめていた
その瞳に嘘がないことくらい簡単に分かる
大切な人
私は彼等にとって大切な人らしい
私にとって皆が彼等にとっての私
それをなくしたくないと思うのはおかしくないな
『…そうか。』
大切な人をなくすのは悲しい、悲しかったんだ
私は確か、あの時そう思ったはずなんだ
私はゆっくりと瞬きをした
だからといって選択を変えるつもりはない
tn「これで感情がないってどういうことか教えてくれますか？」
『そうだな…明日が終わったら全て教える。』
きっと彼等は手紙を見つける
全てを記したその手紙が答えになるはずだ
掴まれていた手を振り払ってその場を去った
彼等の顔が脳裏に焼き付いていた
唇を固く閉じて、眉を下げ、今にも泣き出してしまいそうな
胸の辺りがザワザワした
何かが内側で蠢いているのを感じた
これはなんだろうか、もしかしたら感情なのかもしれない
それでもこれがなにか分からなかった
感情がなくても困ることはなかった
むしろ感情がない方が楽だと思っている
でも知りたいと思ってしまった
彼等が感じているものを、少しだけ知りたいと思ってしまった
今更知ったところで意味は無いことは理解している
自室に戻ってペンを手に取った
残りの便箋をくだらないことで埋めていく
あっという間に埋まったそれを封筒の中に入れた
息を吐きながら脱力する
私は私のために生きてきた
死ぬために人を殺した
恨まれなければ、私は死ねない
死んだところで皆には会えない
私は地獄に行くのだから、天国の皆には会えない
死んで、皆に会えても合わせる顔がない
あの時と違って、皆は私を許さない
心に溜まる何かを吐き出すように大きく息を吐いた
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あまね(プロフ) - めちゃ泣いたしもうなんなん？？？ってなるくらい大好きです。完結おめでとうございます😭 (2月13日 16時) (
レス) @page46 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - 初めて読んだのですが、一気に見てしまいました。とても面白かったです‼ (2月8日 20時) (レス) @page46 id: 3fb3742587 (このIDを非表示/違反報告)
ふぢ(プロフ) - 初コメ失礼します。最初から最後まで続けて全部読ませて頂きました。読む中で何回鳥肌がたったことが…、本当に素晴らしい作品で思わずコメントしてしまいました。この作品が大好きです。またどこかの作品で出会えることを祈っております。 (2月3日 19時) (レス) @page46 id: a0c70ee8ae (このIDを非表示/違反報告)
オレオ(プロフ) - 完結おめでとうございます。もう壮絶なストーリーで涙が止まりませんでした。読み終わった頃には目はパンパンになって、ティッシュの山ができてました 笑。今まで読んできた小説の中で1番心に残りました…(発想力とか諸々込みで……)本当に素晴らしい作品でした！ (2023年2月3日 22時) (レス) @page46 id: fd2a9300ff (このIDを非表示/違反報告)
無花果 - 完結おめでとうございます。占ツクでこんなに完成度の高い作品に会うのは久しぶりです！ラストは涙が止まりませんでした…本当に素晴らしい作品です！ありがとうございました‼ (2022年12月30日 8時) (レス) @page46 id: 1779bf32c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らい | 作成日時：2022年11月11日 21時
