幼稚園児の弟と2人でブラック本丸に行きました！肆 (ページ38)

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177話ページ38

とりえず、誰から行こう…。

後「！大将、薬研があっちにいるぞ。」

『薬研様…よし。』

私一人じゃ心配だからと、後藤様と信濃様が一緒に着いてきてくれた。

本当は他の子達も一緒にいたいと言ってたけど、大人数で動くと怪しまれるからね。

ちなみに三日月様たちが他に言ったことは、決して椿さんに触れたらダメって。

多分だけど、触れることによって霊力を流したんだと思う。

信「大将、行こう。」

『はい！』

私たちは薬研様の方に向かって歩いた。

後「よお、薬研！」

薬「！後藤と信濃……大将か…」

ｸﾞｻｯ

そ、そんなに嫌そうにしなくても…うぅ

後「大将、気にするな。薬研は本心じゃない」ｺｿｯ

『は、はい…』(ﾎﾞｿｯ)

操られていることは分かっていても、やはり少し傷つく。

薬「俺っちになんか用か？」

前の薬研様ならもっとこう、笑顔でどうした？と優しく言ってくれる…。

信「あれ、薬研！髪の毛になんか付いてるよ？」

薬「？？」

信濃様は私の方に合図をした。

『や、薬研様！ここですよ！』

手を差し伸べ、薬研様の髪の毛に触ろうとした。

ﾊﾞｼｯ

『いッ！』

信「なっ！！？」

後「大将！！？」

薬「俺っちに触れるな。」

初めて、薬研様に叩かれた。

『薬研様……』

あの薬研様がこんなことするはずがない。あんなに自分の体を大切にしろと言ってくれた薬研様が、こんな……っ。

信「薬研っ！何してるの！？」

後「大将、手が赤くなってるぞっ！大丈夫か！？」

本当に遠慮なく叩かれた。手が未だにジンジンする。

薬「何って、勝手に触れようとするからだろ？自業自得だ。」

後「っおい、待てよ！！『後藤様っ！』！」

スタスタと歩いていった薬研様を追いかけようとした2人を止めた。

これは誰も悪くない…薬研様はやりたくてやったことじゃない……。

『次、必ず成功させます……』ﾆｺｯ

皆を、助けないと。

ーーー薬研sideーーー

ﾓﾔｯ

薬「くそっ、なんなんだ…っ。」

俺っちは大将が嫌いだ。触れられそうになったから手を払った。なのに…

ーーー『薬研様……』

悲しそうに俺っちを見てくる大将。

薬「…っ」

俺っちは、何かを忘れてる……？