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校内の男子生徒が浮き足立つ2月某日。
朝からAの様子がおかしかった。
「A〜?どうした?」
『ナオミちゃん、、、』
今にも泣き出しそうな位に目に涙を溜め、ナオミを見上げるA。
「え、ちょ、ほんとどうした!?」
Aの見詰める先を追うと、そこには色取り取りの紙袋や箱などに埋もれたコブラの姿。
「ああ〜。泣くな泣くな。」
『盾兵くんに、嫌われ、ちゃったの、かも、しれないっ。』
「はあ!?」
『だって、手、繋いで、くれなくなっちゃったし、』
「うん。」
『目も、合わせて、くれないし、』
「うん。」
『お話しも、してくれなくなっちゃった。』
「うんうん。」
しゃくりあげながら一生懸命話すAの肩を抱きながら、頭を撫でるナオミ。
コブラの行動に心当たりはあった。
コブラがAを天使と定めたあの日、コブラの中で“ Aに手を出してはいけない ”オキテが成立してしまったらしく、傍で見守るに徹しているのだ。しかもあの仏のような表情で。
ただ、ナオミとしてもこんなにもAの中で不安要素として溜まっているとは思っていなかったところが正直なところだった。
「Aは?あげないの?」
『…分かんない。』
「持っては来たんだね?」
ナオミの言葉にコクリと頷くA。
「ちょっと待ってな。」
そう言うと、ナオミは鬼の形相でコブラに掴みかかった。
「テメェどうなってんだよ!」
胸倉を掴まれ立たせれたコブラの振動によって、バタバタと音を立てて崩れるチョコレートの山。
「あぁあぁあぁあぁ。」
「そっちはどうでもいいだろうが!」
「どうでもよくねぇよ!」
コブラが顎で箱の方を指すのを追うと、そこにはヤマト、ノボル、ヤマト、ノボル・・・
「ったく。」
ナオミはひとつ溜め息を吐き、クラス中を見渡すと、
「人に頼んでないで、自分で渡しなさい!!!」
と、声を張り上げたのだった。
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ガヤキティ(プロフ) - 美紀さん» 美紀さん、コメントありがとうございます!まだまだ本編に到達しないですが細々更新して行けたらと思っております。最高と言ってくださり本当に嬉しいです(;_;)ハイロー3の予告を観て寝込む程病んでおりますが、応援に応えられるよう、執筆頑張ります! (2017年10月10日 13時) (レス) id: c1cb732822 (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - ハイロー大好きなんでこの小説最高です更新大変だと思いますが頑張ってください応援してます (2017年10月10日 10時) (レス) id: 39e38305d9 (このIDを非表示/違反報告)
ガヤキティ(プロフ) - えりりん♪さん» 長い間放置してしまいごめんなさい。キュンキュンしてくださった部分のエピソードは物語修正の為に一時的に消してしまいましたが、後から登場します!素敵コブラさんが書けるように頑張るので、これからもよろしくお願いします! (2017年1月7日 11時) (レス) id: c1cb732822 (このIDを非表示/違反報告)
ガヤキティ(プロフ) - たぬきさん» お久しぶりです!1年以上も放置してしまいごめんなさい。修正してしまったのですが、最初のエピソードも後から登場します!もう一つの方も修正が終わったらパス解除するので、もしよかったら来ていただけるとうれしいです!これからもよろしくお願いします! (2017年1月7日 11時) (レス) id: c1cb732822 (このIDを非表示/違反報告)
ガヤキティ(プロフ) - YUMIE.Nさん» 1年以上も放置してしまいごめんなさい。修正をして更新を再開しました。最初のエピソードはまた後から登場します。これからも続きを楽しみにしてもらえるように頑張りますので、よろしくお願いします! (2017年1月7日 11時) (レス) id: c1cb732822 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ガヤキティ | 作成日時:2015年11月15日 10時