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───2月23日·｢かげうら｣
『……うん？ あの後ろ姿、ユズルか？』
｢どうした、A？｣
『……いや』
｢おっしゃ着いたー！ 入るぞー｣
『入れ入れ』
｢おーー寂しい男どもよ！
ヒカリさんが来てやったぞーー！｣
｢おせーよ、もう食い終わったぞ｣
｢アタシたちにも一枚焼け！
おっす、あらふね&ポカリ！｣
『思ったより人いるな。
なに、集会でもしてたの？』
｢さっきまでユズルもいたんだけどね〜、帰っちゃった｣
『ああ、やっぱり。ユズルとなんかあった？
さっき外で見たけど』
｢ああ……｣
△▼△▼△▼
『えっ、ユズルって千佳のことが好きなの!?』
｢そーいや、この前もユズルがウチの作戦室に女子連れてきたことあったな〜｣
『ちょっと、それもっと聞かせろよ！』
｢めんどくせー……｣
『……まあ、ただ恋バナして照れて帰っちゃった、とかではないんだろ？』
｢絵馬は、玉狛に遠征を譲るために、次の試合でわざと負けようとしてたんだ｣
｢チカは遠征行くから関係ないけどね｣
『はあ、それ言ったのか……』
｢ダメだった？｣
『いや、別にいい。いずれ知ることだし』
｢そういや、Aはチカ子のことどう思う？｣
『何が？』
｢さっき話してたんだ。
チカ子は人を撃てるのか、撃てないのかって｣
『……たしかに千佳って、まだランク戦では一回も攻撃できてないよな。
自分では』
｢なら、やっぱり撃てないと思うか、Aも｣
『難しいな。
正直、私は千佳の境遇も、どういう訓練を受けているのかも知らないけど……』
『撃てるんじゃない？』
｢！｣
｢じゃあ、チビちゃんに撃たせられるよう追い込んだほうがいいのか？｣
『すぐに遠征で防衛に参加するってんなら、撃てるようになったほうがいいとは思うけど、強要はしないほうがいいだろ』
｢まあ、それはそうだな｣
『(千佳はきっと過去のトラウマとかが絡まっているんだろうな。
特にサイドエフェクトの保持者は精神的に弱い面がある人が多い。
……今までそういう人たちに会ってきた)』
『……えっ、豚そば焼き美味っ！』
｢だろ？｣
｢なんでおめー(荒船)が自慢気なんだ｣
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作成日時：2023年6月13日 20時
