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───学校·教室
『今日雨降るなんて予報なかったのにな』
｢ああ｣
『秀次は傘持ってるか？』
｢持っていたらとっくに帰っている｣
『そりゃそうだ』
｢……おまえも傘忘れたのか｣
『お察しの通り。
ヒカリたちは先に行っちゃったし、陽介たちももういないだろ？』
｢2人が傘を持っているのは考えられないが……｣
『秀次は本部直行？』
｢ああ｣
『じゃあ一緒に濡れながら行くか？』
｢元よりそれ以外の方法がない｣
『(教科書が濡れる)覚悟決めるかあ』
｢……おまえさえ良ければ、だが｣
『ん？』
｢俺の家に来るか？｣
△▼△▼△▼
───三輪の家
『屋根のあるところを通ってきたから、被害が少なくて済んだな』
｢ああ、俺もかなり守れた｣
『今日親いないの？』
｢仕事……だと思う｣
『そらそうだ……秀次とりあえず着替えて来な』
｢Aは服大丈夫なのか？｣
『そういえば言ってなかったけど、私、トリオン体だよ』
｢……怒られても知らないぞ｣
『大丈夫大丈夫〜、あの人たちは私の首を切れないから』
｢はあ……行ってくる｣
『おう』
『(こんなやりとりができるくらいには、秀次の調子も回復してる)』
『(ねえ、秀次の姉さん。秀次は元気だよ。
……どんな人柄で、どんな容姿をしているか……もしかしたら年齢は近いのかな、よく知らないけど)』
『(あなたに会ってみたかった……それと、秀次にも会わせてくれて……これはあまりよくないか)』
『(……秀次から聞いたかな、その昔、秀次は悪い年上の野郎どもに勝つために、私に弟子入りを乞う……なんてことがあったんだよ)』
『(当時の私は｢ダブルエース｣なんて呼ばれて、戦いを吹っ掛けてくる奴らを端からボコって来たから、まあそういう類いのモンかと思ってたから驚いたよ)』
『(秀次はあなたを死に追いやった、あいつら、近界民のことをすげえ恨んでるけど、私もよくわかる)』
『(私も、両親は地に還ったし、なんども死にかけたことがあるから)』
『(秀次は真面目でダメ男だけど、あなたを思っている良い弟だよ)』
『(少々度が過ぎるときは、私や仲間たちが修正するから安心安全……ではないか)』
『……お、長かったね、シャワーでも浴びた？』
｢一応。待たせたか？｣
『いや、こっちも済んだから』
｢？｣
『この傘70cm？ でかいな』
｢俺のじゃないんだが｣
『一緒に入るんだから大きい方がいいでしょ』
｢……2人で入るには小さいんじゃないか｣
続く (更新停止中)
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作成日時：2023年6月13日 20時
