金木犀に包まれて (ページ8)

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7.4人目の面接ページ8

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「ふぅ…今ので3人目、か…」

昨日惚れ薬が完成して、昨日チラシを貼って、昨日希望者への連絡をして…

早速今日、すでに3人の面接を終えた。

チラシを貼ったのは、ギョンスの喫茶店だけじゃなく、他の飲食店にお願いしたり、繋がりのある大学だったり、父親の息のかかってる地域の掲示板だったり。

貼れるだけ貼って回った。

3人が多いのか少ないのかは分からない。

午後には、あと1人控えている。

今までの3人は…うーん…微妙。

私を好きになって欲しいか、と言われても。

なんかなぁ…。

明確な基準なんか、無いんだけど。

チャラすぎても嫌だし、恋愛慣れしてなさそうでも、私を、正しく、愛、してくれるか分かんないし。

そう思いながら、午後に控えた男性が送ってくれている応募データを確認する。

「ビョンベッキョン、24歳…同い年か」

いいかも。話とか合いそうだし。

「特技、趣味…どちらも、歌」

歌、ねぇ…今まであまり触れてこなかったけど。歌が上手い男の人かぁ…かっこいいかも。子守唄とか歌ってほしい。

そして一番気になるのは。

「恋愛経験。交際人数は、5人…ほう、多い！」

24歳で5人は、多い方なんじゃないか。

「ここ1年恋人無し、向こうから告白されて、向こうからフラれることが多い」

それは…どういう意味だろう。なんで告白して来たくせにフるの？

…不思議だなぁ。気になる。

恋って、そういうものなんだろうか。

…なかなか、興味湧く内容じゃないの。

少し、楽しみだ。

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＜ベッキョン＞

『…それでは、明日13時、先ほどの住所にいらしてください。では』

「…ここ…？ほんとに…？」

応募して、電話が来て、その翌日。

たまたま空いていた…というか、売れない歌手なんだから、スケジュールはたくさん空いている…ので、電話で指定された場所にやって来た。

そこは、街中…とりわけ、高級住宅街…UN villageというらしいエリア。

そして目の前に聳え立つのは、タワマン、というやつだ。

その、1025号室…10階？

相当な、金持ち…ますます、怪しい。

なぜ、こんな普通の…いや、高級だけど…普通に人が住んでるような場所に、呼び出されたんだろ…。

まぁ、事務所からも近いし、なんかあったら事務所に駆け込むか…。

なんて思いつつ、豪華なシャンデリアや花で飾られたエントランスで部屋番号を押して、インターホンを押す。

『はい』

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