金木犀に包まれて (ページ31)

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30.幼馴染の紹介ページ31

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「はぁ…しょうがない。僕の友達から探すよ。どこの馬の骨ともわからないヤツよりマシだろ」

「え、ほんと？」

「うん。その代わり、彼には惚れ薬の実験だって伝えるから」

「え！？いや、それじゃあ実験の意味が無くなる！！」

惚れ薬を飲まされてるんだ、と思いながら私に接しても、バイアスがかかるから薬の純粋な効果は測れないのに。

プラシーボ効果、ってやつと似てる。

まぁ私の頭脳にかかれは、確実に私に惚れる薬が作れるわけだけど。

「Aは結局、愛されたいんでしょ？じゃあ、惚れ薬だと知ってて、薬の効果にプラスで意識することで好きになられるのと、知らずに純粋な薬の効果で好きになられるのは、結局どっちも好きになられてるんだから一緒でしょ」

「ま、まぁ…」

確かに、それもそうかもしれない。

もちろん、薬の純粋な効果も知りたいけど。

私の目的としては、私を好きになって、愛してもらうこと、なのだから。

「新しい被験者、探しておくから」

「あの…なるべく、私と一緒に過ごせる時間が長い人がいい…」

「家にいる時間が長そうな人？うーん…じゃあ、コイツかな…」

「誰？」

「パクチャニョル。料理系YouTuberやってる。ちょっと前にYouTube始めて、今は専業、登録者は50万人いる。動画だけで食っていけてるレベルに人気あるよ。おまけに顔は良いし」

写真を見せてもらう。わぁ…イケメンだ。

「被験者の要項…なんだっけ？…年齢は問題ない、3ヶ月指定した家に…まぁ機材とか料理道具を持ち込めば大丈夫そう、恋愛経験…は、アイツはモテるから豊富。条件もバッチリ」

登録者50万人って、結構だよな。これから売れても、急に忙しくなるようなことはなさそうな絶妙さ。

ベッキョンのようには…ならなそう。

「その人、会ってみたい」

「わかった。連絡してみるよ」

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「あ、はじめまして…パクチャニョルです！ギョンスの友達で…Aちゃん、だよね。ギョンスの幼馴染の！」

チャニョルは、ベッキョンと同じで明るくて、フレンドリーな人だった。

身長が高くてイケメンで、声も低くて魅力的。

この人とだったら、打ち解けそう。

私のことを好きになったら、その大きな身体で抱き締めてほしいな…

うん、この人がいい。

「ギョンスから話は聞いてるよ。惚れ薬の実験だって？」

「はい。ぜひ、お願いしたいです」

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