23.愛とはどんなもの ページ24
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ぼんやりとする頭。
目の前のベッキョンが、ふたり、さんにん…分身してるみたいに見える。
ふわふわなのは私の頭の中だけじゃなくて、背中も…ふわふわした感触がする気がする。
あれ…手があったかい。このあったかさ…そうだ、ベッキョンと手を繋いだ時のあったかさだ…
「…えっちだよ。えっち。Aはしたことないだろ」
えっち…えっちかぁ…。
たまに見ることを許された洋画の中で、そういうことをしているシーンがあった。
見てるとやけにドキドキして、これはなんなんだろう、と調べて、もっと刺激的なものが出てきて、お腹の辺りがじんわりとあったかくなった記憶がある。
「べっきょんは、あるの…?」
「…あ、あるよ、そりゃ。付き合ったことあるって言ったろ」
「じゃあ、どうやってやるか、知ってるってこと…?」
どうやら、好きな人とする行為らしい、というのは知っていた。
ベッキョンは私のことが好きみたいだし、私もベッキョンのことは…たぶん、好き?ってやつ?なのかな。
何より、それをしている人たちは、気持ちよさそうで、幸せそうで…
「…あぁ!!知ってるよ!!!だから無理やりしちゃいそうになるんだっつーの!!!」
ベッキョンがそう叫んで、私の視界はクリアになる。
目の前にはベッキョンの顔、そしてその奥には天井が見える。
私はベッドに寝てるんだ…ベッキョンに、上に乗られて。
確か…えっちは、こういう体勢から始まることが多いんだっけ。
じゃあ、このまま…
「じゃあ…教えて…?」
「…は?」
「私に…教えて、えっちの、しかた…」
私がベッキョンを被験者に選んだのは、愛されるため。
えっちは、愛を確かめる行為らしい。
じゃあ、愛を感じられる…?
「ずっと…羨ましかったの…ベッキョンなら、いいから…だから…」
「…い、いや、あの…」
戸惑うようにしどろもどろなベッキョン。
もしかして、私が酔っていたから、正常な判断ができてないと思ってる?
「もう酔ってないよ、ベッキョン。…しよ?」
私がそう言うと、ベッキョンは深くため息を吐いた。
「はぁーっ…もう、知らない」
そう言って、ベッキョンは私を押さえつけていた手を、指を絡めて握り直す。
「明日の朝起きて、後悔しても俺は知らない。覚えとけよ、Aから誘ってきたってこと」
その言葉の後、唇に、熱くて、柔らかい感触が訪れた。
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作者名:LUKE | 作成日時:2022年2月6日 2時